2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧
副題は男前豆腐店ストーリー。地方の豆腐屋を本物志向で一気にメジャーに押し上げた2代目の創業記。スーパーの下請けから脱却するには、妄想に近い探求心と社員に嫌われるあくなき開発魂。今ではコマーシャリズムに乗ったようだが、本物だけが持つ味(性能…
個性豊かな4人組の銀行強盗団。それぞれの特技を活かして美しい犯罪を重ねる。メンバー中の紅一点が抱える過去事情で別口の強奪犯と遭遇、対決することに。全編にあふれる軽妙な会話とキレのいい小道具の配置。コミカルでスピーディーな展開で一気に読ませ…
毎日トンデモナイお客様に悩まされている常識的な店員の皆様からの投稿の形をとっている。信じられないような客の生態。突飛ではあるがあるだおうなというレベルで読者の笑いを狙う。読む側も割り切って楽しむべき趣旨のもの。ほんのわずかな自省とともに。…
最近はやりの県民性だが、本書は学究的にそれを形成した歴史的背景を丹念に解説する。前半で専門とする比較文化論的な総論、地形、気候の要因とともに、鎖国時代の幕藩体制が与えた影響は大きいとする。中世までは盆地ごとに文化が異なったとする説は目新し…
重源による東大寺の鎌倉再興を題材とした歴史小説。南大門から発見された墨壺をモチーフに物語をふくらませたフィクションだが、墨壺の持ち主である東大寺の宮大工である主人公は、技術的には秀でているものの、人間関係が不得手で「木組み」より配下の「人…
神経科医伊良部一郎シリーズの3作目。読売の渡辺恒雄やライブドアの堀江を登場させ、そのストレスを解消するという筋立て。さすがにグレードアップしなければつらくなってきたか。破天荒ぶりは相変わらずで、内容的には十分楽しめた。出張の時間つぶしには…
著者の本能寺3部作の完結編にあたる。光秀の娘婿で懐刀である主人公の視点で、本能寺の変を描く。書き出しが荒木村重の謀反であることが象徴的。荒木家に嫁いだい光秀の娘を愛おしむ武骨な純愛がベースを奏でる。光秀は生真面目すぎて、秀吉との出世争いに…
著者は松下政経塾の出身。新進党/民主党の衆院議員であったが、郵政選挙での落選を機に転身。ソフトバンクの社長室長になる。米英では一般的な政財の「回転ドア」を使い自らの経験を事業展開に活かす。特に力を入れるのは携帯事業の許認可と光ファイバーの…
激動の時代の私鉄の経営状況と事業の方向性をルポする。右肩下がりの人口動向では、ターミナル商業施設と沿線開発を核とするでかっての阪急モデルは機能しなくなり、新しいビジネスモデルを模索する必要がある。キーワードはシームレス化とブランド力の活用…
終戦間際に当時の大審院で大政翼賛選挙を無効とする画期的な判決が下った。軍部の圧力に屈せず司法の独立と良心を示した裁判官が主人公。清心で暖かい人柄として描かれる。結果として戦後の完全な三権分立、検察の独立に道をつけたことになる。空襲で焼失し…
日常のちょっとした出来事を題材にユーモアとペーソスを醸し出すのは作者の最も得意とする分野。短編でもその力量はいかんなく発揮されている。妻の出産を身近に控えた葬儀屋。スーパーヒーローの男優に恋心を抱く母親。クリスマスに苦悩する寺の住職と判り…
作者はサラリーマンで歌人とのこと。日常の生活を題材にした笑わせるエッセイ。極度に内向的な性格で40過ぎまで独身?。女性、対人関係で苦労したネタが自嘲気味に描かれる。同年代の中年男性としては共感する部分も多い。図書館の新刊書コーナーで見かけ…