2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

仕事がもっと面白くなるプロ論

NHKの人気トーク番組の活字化。各界で活躍するプロ達の哲学や生き様を浮き彫りにする。若者向けの番組だけあって登場する人たちは全体に若手の一線級。共通するのは負けず嫌いと人知れない努力。30人網羅しているのはいいのだが、一人あたりのページが少な…

ここまで来たナノテクノロジー

図書館の新刊本で見つけてお勉強。広く浅くの内容で技術屋としては常識的な部分が大半であるが、参考になる部分も多い。特に電機電子分野ではナノと言うには疑問があるが、 微細加工技術はかなりのレベルまで到達しているのが実感。素材は遅れている。 青の…

バンドオブザナイト

作者自身の生活を描いた私小説だが、自宅を中心に集う友人たちはほとんど薬物中毒者のサークルである。睡眠薬やのどシロップでラリれるとは知らなかった。幻覚の中でわき上がる猛烈な言葉の洪水が中盤から延々と続く。申し訳ないがここはパスした。解説によ…

六百万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス

男性には知られていないが600万ユーザーを誇る怪物料理レシピサイト「クックパッド」。そのビジネスモデルと成功の秘密を探る。料理を通じて社会に貢献したいとするぶれない目的意識。徹底したユーザー志向と確かなテクノロジーで多くのユーザーを引きつ…

駅弁と歴史を楽しむ旅

著者は予備校の歴史講師。最新の駅弁事情を紹介。「奥の細道」や「源平合戦」をたどる構成は陳腐で安易な感じもするが、アクセントにはなっている。驚くのは名のある駅弁でも廃業や販売中止が続いていること。確かに私自身も購買量は目に見えて減っている。…

16歳の教科書

副題は「なぜ学び、なにを学ぶのか」。現代を代表する7人の講師陣が各教科のエッセンスを中高生に伝える構成。副題にあるとおり、自らの経験から目的意識を失い、悩める現代の若者にメッセージを送る。目線を下げて理解しやすい平易な言葉で書かれており、…

さよならドビッシー

火災で祖父と従姉妹を亡くした主人公の女子高生。自らも大火傷を負うが、リハビリと天才ピアニストの指導により復活しピアノコンクールで優勝する。遺産争いの殺人事件を絡めて、最後にミステリーとして予想外のどんでん返しを用意しているが、純粋に音楽家…

水の中の八月

短編集。日本人の書いた在日小説。高校生から中年の父親まで恋愛関係が軸となるがどれも男女のいずれかが在日という設定。時代背景は60−80年代。特に北朝鮮への帰国運動に悩む人々が登場する。あとがきで述べられているように実体験によるものではなく、…

黄金の人生設計図

副題は人生九十年をどう生きるか。急速に高齢化が進む日本社会への提言書。高度経済成長に代表される産業資本主義から次の時代への転換期にあるとする。キーワードは自立とフェアネス。個人レベルでの意識改革が必要と説く。堺屋太一の「知価社会」に通じる…

特殊防諜班諜報潜入

新興宗教団体を乗っとったネオナチ組織に、日本古来の「山の民」とモサドが協力して挑む。見せ場は武道対決。シリーズものの5作目だそうな。文庫化は昨年だが原作は1988年と古い。まあこれまで。特殊防諜班 諜報潜入 (講談社文庫)作者: 今野敏出版社/メーカ…

侯爵サド

サド伯爵の審問。法廷小説の形をとり、史上まれな異様な行状を次々に公式記録、本人の弁明、周囲の証言、それに隠し子である娘の視点を通してつまびらかにしていく。断罪を目指す院長と、精神病患者として擁護する理事長。二人の思惑はつきつめれば権力争い…

あっかんべえ

深川に新たに開いた料理屋。しかしそこは気のいい幽霊たちの巣窟だった。10歳になる娘おりんは、病で死線をさまよったために、幽霊たちがみえるようになる。彼らの成仏できない理由をつきとめ、謎を解決する筋立て。意外と単純なプロット。もちろん楽しめ…

犬はいつも足元にいて

予想に反して暗い内容。離婚した父母、閉じた友人関係。中学生と思えない閉塞感が主人公を包む。主人公自身も計算高い言動をし、救いが感じられない。犬がいつも掘り返す腐肉は何を暗示しているのか。「文芸賞」受賞とのことだが、正直あまり感心しなかった…

ハゲタカ?

続編。さらに痛んだ日本経済の中で、外資の名門企業買収が進む。ターゲットは鐘紡と富士通。後者は日本電気かと思って読んでいた。キャノンが買収側として登場する。ハゲタカ鷲津は今回むしろホワイトナイトとしての立場。アメリカ軍産をバックにする巨大フ…

魔境アジアお宝探索記

脱サラして東南アジアを股にかけて活躍する骨董屋となった作者の自叙伝エッセイ。フィリピン、タイからベトナム、ミャンマーまでお宝を求めて奔走する冒険記。時代的には80−90年。まだまだ危険な未開の地だけに掘り出し物も多い。日本からみれば途上国だ…