2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

男と女のワイン術2杯目

続編。家飲みをテーマにスーパ−での購入術を伝授。内容的にはフランスワインをセンターに据え、地域、ぶどう種の差異を解説する前作と同様の内容。初心者にはわかりやすい構成となっている。緯度が下がるほど温暖な気候で果実味の豊かなワインとなるとのこと…

ネオカル日和

新聞連載のエッセイと短編小説からの構成。ネオカルチャーとして、藤子不二男プロやガンプラの本拠を探訪して短文にまとめる。題材の選考自体が作者の好きな世界だけに筆もなめらか。80年生まれと一世代若いが、価値観が近いので共感を感じる。軽めだが好著…

日本遙かなり

テヘランからの日本人保護を題材にするが、ここが最初でこれ以降の海外での邦人救助の実情に迫る。日本は憲法の制約があり救援機を出せず、他国にすがる構図は何ら変わらない。あれだけ議論された安保法改正も観念論に終始し、踏み込めずにいる。大使館や領…

女子高生と学ぶ稲盛哲学

タイトル通りの内容。実際に行われた特別講義をベースとする。功利主義から始まり、現在の資本主義を理論づける社会哲学をわかりやすく解説。最後は信奉する稲盛哲学を紹介。ベースとなるのは生き方の方程式。何を正しいとみるのかは究極の問い。いつもだが…

マグダラのマリア

西洋美術史を語る上で欠くことの出来ないモチーフ。娼婦から改悛し聖女に序せられた人生は格好の題材。後半生は洞窟で苦行したとは知らなかった。もともとそのストーリーは後付で男性社会にいいように解釈が加えられた模様。本書の肝はイタリア美術における…

ラブ、ピース&カンパニー

カフェカンパニーの創業経営者が自らの経営理念を50項目に分けて解説。カフェは情報発信拠点でそこを格としてコミュニティーの発展を目指す。マニュアルはつくらず組織は柔軟なスジコ型。イクラノ粒である個人が寄り集まって組織を発展させていくイメージ…

愛するということ

世界的な名著の新訳版。著者は精神分析学の大家。愛することの理論、修練を意識して平易にまとめているが正直難解だった。唯一理解できたのは愛は本来、能動的、主体的なものであり、すべての人類に対する兄弟愛がベースになるという一説。兄弟愛とは責任、…

海賊と呼ばれた男

出光の創業者である佐三氏がモデル。その生涯は規制、統制との戦いであった。戦前から石油に目をつけ、小売商として海外にも展開。家族主義で意気に応じて働く店員達は同業の脅威となった。戦後は海軍廠のタンク汲み出しが原点。社運をかけてイランからの輸…

世界をこの目で

ロンドンをベースに活躍する著者のエッセイ集。銀行からカイロに留学。アラビア語を習得し、中東を舞台に活躍する。作家に転身後は丹念な取材と豊富な知識で紡がれる経済小説はノンフィクションに近い手法。人気作家でありながら日頃の生活は世界を飛び回る…

チームのことだけ考えた

サイボウズの創業者の一人で現社長の著者が、これまでの企業と組織を記する。グループウエアで急成長、急激なM&Aは失敗に終わる。その反省から選択と集中を行い、得意分野に特化することで、社員に理念を浸透させる。結果はV字回復。組織については次々…

快楽上等

対談。現在の日本を代表する女性論客二人が、3.11後の日本人特に女性の生き方を熱く語る。10歳ほど歳の差があり、来し方は世代を反映する。特に性に関する部分はこちらがたじろぐほど明けっ広げ。フェミニズムを率いてきただけのことはある。共通する…

ストーリーセラー

女流人気作家とその夫の物語。夫は読書家で妻の第一のファンで理解者。妻の能力を評価し、サポートに廻る。サイドABの構成となり、Aでは妻が、Bでは夫が早世する。男らしい妻と優しい夫からなる夫婦のなれそめと情愛がテーマ。思わず作者自身の話ではな…

暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民

バブル崩壊寸前の中国経済に警鐘を鳴らす。これまでの失政を解析。輸出依存で内需が無く、経済格差が拡大。成長のために投資を急いだあまり、需給バランスが崩れた。特に不動産市場で顕著。政府は必死に防ごうとするが、バブルである以上いずれ弾けるのは必…

本が多すぎる

著者による書評エッセイ。2005年から13年まで週刊文春への連載で、毎回3冊を照会。感覚が近いので共感できる部分が多い。女性ならではの視点も示されるがそれもまた良し。タイトル通り読みたい本が多すぎる。500頁を越える大作。もう少しこまめに分冊して欲…