ラウリクースクを探して

ソ連時代のエストニア。黎明期のパソコンでプログラミングに勤しむ少年二人が主人公。主人公は独特の性格で孤独。唯一の理解者が親友であったが彼はロシア人。やがて革命の波が二人の運命をもてあそぶ。主人公は一時コンピューターから離れるがその後消息不明に。モスクワで記者となった友人がやがて人伝いに探し当て、再会を果たす。実は記者がこの作品自体の語り手だったというところが隠しプロット。ある意味無名人の人生を通して、激動の時代のバルト三国を描く。独特の雰囲気と筆致で愉しませる。