2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

風の中のマリア

物語の舞台はスズメバチの世界。戦士として狩りと闘いに明け暮れる一匹の働き蜂の一生を通して非常な世界が描かれる。巣のすべての構成員は1匹の女王蜂から生まれる。女王蜂自身も厳しい闘いの中で選抜されてきた。ひたすら卵を産み続け働き手となる娘たち…

だからヤマダで買いたくなる

著者がヤマダ電機の強さを徹底解明する。家電販売はメーカー主導の時代から、消費者に主導権が移った。ヤマダはその時流を的確に捉え、消費者に好まれる店作りに徹した。成長には規模のメリットはもちろんだが、それを支えたのは先行投資、IT化、物流センタ…

ボーダー

エリート弁護士が過去の失意により都落ちし、三重伊勢市の弱小事務所で民事を担当する。正義感に燃える若手女性弁護士の熱意に負けて、強盗殺人の刑事事件を手助けすることに、一度は最終弁論で被告人に裏切られたものの、再調査で新たな事実をつかみ真実を…

ワークソング

ボルトの検査を請け負う従業員5名の零細企業が舞台。資金繰りに苦しみ週末を乗り切れるかがストーリーの骨組み。姉弟の経営者と双子の無口なアルバイト。それぞれの事情を織り交ぜながら物語は進展する。バックには単調な作業の音「キコキコ」が常に流れる…

理系なお姉さんは苦手ですか。

各分野で活躍する理系卒の女性10人が登場。単純な研究職ではなく学際的な領域のタレントを取り上げている。子供時代に共通するのは虫、星、メカとのこと。ロジカルな思考を得意とし個人差はあるがチャンスにはアグレッシブである。それでも随所に女性なら…

お客様から「教わる力」

著者はプレジデンシャル保険のトップ営業マン。若くしてリクルートから転職する。3年間はほとんど無休で働き、個人客を量で獲得する。自らを厳しく律するまさに仕事一筋。その一方で自己啓発につとめ、やがて法人営業へと幅を広げると同時に人脈のネットワ…

現ナマ主義

家計のキャッシュフロー解析。デフレ下では現預金は保有しているだけで価値が上がるので、ともかく節約して預金を増やすように提言する。投資などもってのほか。政権がころころ変わる無政府状態で官僚主導の増税が行われると手厳しい。国家のデフォルトにつ…

恋愛美術館

印象派以降の代表的な画家、彫刻家を取り上げ、作品に反映された芸術家の生身の恋愛遍歴を語る。種本はあるのだが日本では意外と知られていない事実に驚く。名画にはかならず実在のモデルがいたはずで、画家の鋭い観察眼が女性との関係をもたらす可能性は低…

凛と咲く

ワールドカップに密着取材したフリーアナウンサーである著書。まるでチームの一員のような立場で感動の優勝までの軌跡を描く。チームは最初から一丸であったわけではなく、でこぼこのある個性派集団がやがてひとつの大きな輪として機能した。このために気遣…

郊外はこれからどうなる

西へ拡大する山の手と東へ伸びる下町。新たな発展はウオーターフロント。明治期以来の東京の発展から住宅地の変遷をひもとく入門書。豊富なデータでビジュアルに解説するところは交換。自らが命名した第四山の手は所沢進出を目論むパルコの戦略だったと独白…

恋愛の格差

女性誌での連載エッセイのようだがそうとは思えない硬派な内容。現代日本の右肩下がりの経済。そこから産まれる経済格差の問題が繰り返し解説される。あるいみ啓蒙本かと思えるような感じもする。経済の下降局面では時間を余らせた人々のためにサブカルチャ…

ガロワ正伝

数学史の専門家が書いた伝説の天才数学者ガロワの伝記。一般人には名前ばかりが有名で事績を知る者は少ないだろう。革命下のフランスで共和主義者として放校処分になり、最後は女性をめぐる些細なトラブルから決闘で20歳の命を落とす。その業績は解析学上…

下山の思想

評判の書。明らかな下降局面に入っている日本社会を山頂からの下山に喩える。繰り返して述べられるのは、常に前向きにとらえることが重要で、山を安全に楽しく下りきることで新たな展開を産むという考え方。時間スパンでは50年ほどの長丁場。それを支える…

奇蹟の画家

神戸を本拠とする清貧で無名の画家「石井一男」。彼を発掘した画商さらに作品を購入したオーナーたちとの物語を描く美術ノンフィクション。小品ながら女神像を中心に観る者の心に直接訴える不思議な作風。画家のとってモチーフはやや宗教的な啓示による。観…

ウスケボーイズ

国産ワインの父阿井宇介。その薫陶を受けた3人の若者が本物の国産ワインを求めて苦戦奮闘し、それぞれのワイナリーで理想を追う姿を描いたノンフィクション。優れたワインにはぶどうの栽培と醸造が不可欠であるが、あらためてワインは農産物であることを思…

奇跡のモノづくり

作者が日本各地に小規模ながらオンリーワン技術の製造業を探訪するルポルタージュ。職人技の領域がほとんどであるが日本のものづくりの伝統とルーツを訪ねる旅である。本間ゴルフやキッコーマン沖縄の泡盛が紹介される。震災からの復旧には地場産業の発展が…

ハーバード白熱教室講義録

サンデル教授の講義録。学生たちとの活発な議論を通して哲学における正義について教える。身近な例を問題にして講義は進められるが、正直言って哲学のロジックは難解。書物を読み込む必要があるだろう。哲学上の歴史的な展開にふれ最後は自説を展開する。正…

化学産業の時代

経営学的なセグメント分析により日本の化学業界を展望する。最終製品と素材の関係性の変化により「産業の化学化」が業界のプレゼンスを増大させる。各社の戦略を徹底分析、エチレンセンターを有する総合大手が苦戦する中で、機能品に特化して利益を上げてい…

黄金の丘で君と

次回は12章から黄金の丘で君と転げまわりたいのだ作者: 三浦しをん,岡元麻理恵出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2011/12/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (13件) を見る

サザンクロスの翼

太平洋戦争末期、特攻から生き残ったゼロ戦パイロットと撃沈された空母から泳ぎ逃れた整備士が無人島で逃亡生活を送る。互いに守るべき家族を失い自暴自棄となりかけたところ、現れた駄ばきの輸送機。一人生き残った謎のハーフ女性を助けてインドネシア独立…

9回裏無死一塁でバントはするな

最新のスポーツデータ解析手法であるセイバーメトリックスを駆使し、プロ野球界の常識を斬る。メジャーリーグでは一般的な手法である数値解析は実例を組み合わせることで、非常にわかりやすいお話になる。著者は野球に精通していることは随所に伺えるが、や…