長期下落傾向から抜き出せない日本に比べ、アメリカ経済は今後も成長が見込まれる。その理由として人口増、高度な教育、シェールガスを挙げる。特に長期保有で投資をする若者に、米国株を勧める。リスクヘッジとして長期債権、ゼロクーポン債とのヘッジを提…

良品計画会長である著者の経営書。右肩上がりの成長に慢心し大企業病に冒された同社を、徹底したマニュアル化で経営を立て直す。誰がどこに行っても業務がこなせるように標準化を進めた。マニュアルには血を通わせることが重要。ボトムアップで改訂を繰り返…

著者は教師であり、自ら開発したWORLD PEACE GAMEの実践者。アクリル板で作った摸擬世界上で小学生に役割を割り振りシュミレーションゲームを体験させる。勝利条件は世界平和と富の増加。子供達は危機を乗り越え協力して勝利を得る。各回でシナリオは同一で…

難航する連続殺人事件の捜査本部に投入されたのはアメリカ帰りの行動経済学者。自信喪失の女刑事と組んで、巧妙に仕組まれた妻殺し計画の構図を明らかにする。ある意味ビジネス界では慣れ親しんだ行動経済学の計算式が単純化された形ではあるが、捜査と推理…

旅をモチーフにしたエッセイ集。JAL機内誌への連載でこれが３作目。相変わらず軽妙な文体と何気ないネタで笑を誘う。食べ物とギャンブルは定番。ペンクラブ会長としての重責も垣間見せる。新幹線の車内で読破。パリわずらい江戸わずらい作者: 浅田次郎出版社…

辞書編纂が舞台。言語学専攻の変人の編集者が、１３年を掛けて国語辞典を世に問う。恋愛結婚あり、先輩の異動有り、発刊寸前のトラブル有りで読む側を飽きさせない。主題は誰かが情熱を持って挑む仕事は最終的に報われるというところか。広義で言えば作者得…

現代人に必要な教養に関する講演をまとめる。根源の問いは副題の通り私たちはどこから来て、どこへ行くのか。自由七科として宗教、宇宙、人類の旅路、病気、経済学、歴史、そして日本と日本人をあげる。内容は目新しい最近の話題があるものの、意外と常識的…

現代の日本で若者社会の一角をなすマイルドヤンキーの実態調査。初代からのVerでは3.0に相当。徹底した地元志向で、中学校の校区から出たがらない。上昇志向は低く現状維持を良しとする。若者らしくないが、経済的に低迷し階級化した日本社会の産みだした新…

顔つき、資質から退き際まで著者が理想とする経営者の姿を描く。膨大な量の経営書と実際に会った幾多の経営者から著者が感じたエッセンスをまとめる。日本の経営陣は青春期と働き盛りに受けた教育の影響で９０年代に小粒になり、それが経済危機を招いたとす…

著者は現職の堺市長。橋下府政の応援を受けて当選した1期目と、大阪府構想に反対して維新の党と争った２期目。その経緯をあきらかにすることで、自らの地方自治への想いを語る。橋下氏の空中戦に対する地道な地上戦。孤立無援だった議会でも、丹念に会話を続…

大震災直後の地方紙を追うノンフィクション。若い支局長たちは津波の取材で海岸へ向い、ある者は命を落とし、目の前で被害者を目撃した者は助けられなかったことでトラウマを追う。紙齢を繋ぐことに全力を傾け、全社を挙げて翌日独自紙面の発行にこぎつける…

獺祭で名をなした山口の旭酒造。現役社長がこれまでの経営を語る。勘当されていた先代の急死で社長を引き継いだ際に、日本酒の需要低迷でまさに青息吐息の状況。純米の吟醸酒に特化し、品質で勝負に出る。科学的な手法を導入し、杜氏を廃した。日本酒の生き…

日韓関係の悪化を懸念する著者が、建国以来歴代の大統領を評することで、両国の置かれた立場の違いを明確にする。韓国では直接選挙で大統領は選ばれるが再選は禁止。政権終盤はレームダックとなり、退任後汚職等のスキャンダルが必ず噴出する。大統領への権…

お手軽経済学入門本。本書では価格に焦点をあて、クイズ形式で学ぶ構成。内容は極めて平易で常識的に考えれば正解は得られる。少し拍子抜けだが予想通りでもある。ＢtoＣがメインであまり実務には参考にならない。キャッチーなタイトルに引きづりこまれた実…

科学エッセイ。専攻の分子生物学を題材に、人工的な分解による科学の解明は、自然界の因果関係を無視することに繋がることに矛盾に警鐘を鳴らす。1980年代にアメリカで起こった科学スキャンダルを詳述。恩師の期待に応えようとした若手研究者が理論に沿った…

人生の目標を４分類に類型化し、それぞれで１％のレアになるための条件を明示する。共通の３＋専門の４合計７つをクリアする必要がある。やや単純化過ぎる感じもするが実社会でもまれているだけに、実践的で説得力はある。自分としてはＡの社長をめざす権力…

大物政治家の孫が誘拐され、財政赤字と同額の身代金が要求される。犯人は政府に失策に批判的な若者。世代格差に憤り、身命を賭して是非を世に問う形。設定は無理なところもあるが、まあ楽しめて読めた。犯人側と警察側を交互に描く構成でキャラも書き分けら…

童話作家によるメルヘンチックなファンタジー。早くに妻を亡くした人形作家が一人娘の結婚式を迎え過去を振り返る。幼児から独立までそれぞれの娘の成長が、小さなミステリー仕立てで描かれる。全体にまあ他愛ないほのぼの系。最後に少し感動したのでぎりぎ…

将棋の裏世界。大金を賭ける真剣師。伝説の棋士を追って亡母の手紙を託された中年女性と金策に追い詰められたチンピラ崩れがタッグを組む。関係者を廻るうちに明らかにされる過去の真実。意外な純愛と実の父が残した駒が語られる。全般に欲張りすぎで、全体…