2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

知事の世界

新書版。当選後多数の著書を出した中の1冊。主として知事に就任後の活動状況を簡潔に報告する。公用車や官舎の問題は表面的な事象に過ぎず、マニュフェストの実現に向けて実際の予算編成で議会や官僚との折衝を巧みにこなす。県職員は非常に優秀であると持…

そうだ葉っぱ売ろう。

徳島県上勝町の成功事例。老人パワーを活用し外食産業用につまものとしての葉っぱを出荷し成功させたビジネスモデル。それを導いた著者の破天荒な半生を自ら綴る。マスコミに取り上げられ一見派手だが意外と地道な本業である野菜や果物があることに納得。老…

ハイヒールと宝石が温暖化をもたらす

「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論調で、地球温暖化問題をきわめて平易に解説する啓蒙書。タイトルのわりに中身は充実しており、なかなか問題意識の浸透しない日本人に警鐘をならし身近な問題としてとらえるべきと説く。議論百出の命題にずばりと核心をつく…

プラネタリウムのふたご

評価の難しい一冊。田舎のプラネタリウムに捨てられた双子の不思議な成長を通して、親子、自然、幸福を描く。舞台は無国籍。工場と呪術が同居するなど時代も設定もきわめて不自然なのだが、叙情的な世界に引き込まれる。手品師の一座の生き様がが魅力的。一…

フェルメール展

大雨の週末、上野の都美術館へ。評判の展覧会であるが人混みはおそれていたほどでは無かった。それでも人気の作品の前には人だかり。フェメールを中心に17世紀のオランダ絵画がならぶ。遠近法を駆使した風景画と光に注視した精密画の世界。判りやすい世界…

気がつけば騎手の女房

著者の自叙伝。父親が早世創製し母一人娘一人で育つ。必死の思いで入った外大は学園紛争で失望する。好きになった競馬の世界へ飛び込み、競馬新聞の記者から、やがて子持ちやもめの騎手の女房となる。当時としては(今でもだが)かなり破天荒な人生。男勝り…

流星ワゴン

主人公は38歳の父親。自らのリストラ、妻の不倫、子供の受験失敗と家庭内暴力と最悪の状況に、自殺をも考えていたところに、そのワゴンは現れる。運転するのは交通事故死した親子で成仏できず現世をさまよい、迷える同胞をタイムトリップで過去の分岐点に…

ワルシャワの燕たち

舞台は1990年改革途上ののポーランド。ジャーナリストの恋人を連れ戻しに日本からやってきた中年の主人公は元ラリーレーサー。彼女の部下で日本語の達者な現地の若者と何かと競うことになる。変革の息吹に魅せられポーランドに止まる決意の彼女を残し失…

光の帝国

さまざまな特異能力をもつ人々の集団を描く連作集。作者があとがきで述懐しているように一作ごとが設定がユニークでそれだけで中長編がかけるようなネタであり、それぞれが力作となっている。ありがちなファンタジーではなくむしろその能力いえに社会とは一…

ヤマダ電機

小売業では、イトーヨーカ堂、イオンに次いで第3位。 家電の市場規模は10兆円。ヤマダは約20%のシェア。 チラシの制作費は売り上げの2%=400億。毎週3全部。 大型電気店にとって価格が最大のサービス。

となり町戦争

小さな地方の町が、事業として起こしたとなりまちとの戦争。まったく無関心な市民たちの中で「僕」は偵察員に任命され、役所の担当職員である女性と偽装結婚をし隣町に住むことになる。何のための戦争なのか実態はどうなのか、最後まで説明されることはない…

魚河岸三代目

帰国便も邦画にした。ドタバタ喜劇仕立てだが良くできた作品。荒っぽいが人情あふれる築地の人々にほろりとさせれる。メインもサブの恋愛成就に後半はフォーカス、感情移入させられるのは設計意図通りか。森口瑶子はいい。森下愛子様は久しぶり。 http://www…

漢方小説

主人公は31歳の女性シナリオライター。失恋と仕事のストレスで体調を崩し救急車に乗る騒ぎになるが、通常の病院ではたらい回しの上、原因不明のまま何ら解決しない。最後に頼った漢方医ですてきな医者に巡り会い、心身両面で快方へと向かう。30代女性の厳…

ぼちぼち結論

中央公論連載の評論集。鋭く辛口に社会、世相を切る。教育、政治、経済をばさばさと。表現がアイロニックでくどいのはいつものこと。まとめてみると今ひとつ印象が薄いが、引用は多数。 誤解するのは、誤解する方が損をする。事実誤認は自分の身にふりかかる…

オリンピアナチスの森で

1936年開催のベルリンオリンピック。ナチスのプロパガンダとしての歴史的位置づけが定着しているが、そこに参加した多くの選手が、祖国や家族の期待を背負い、自分の人生をかけて競技に挑んだ。本書は丹念な取材と史料の精査によって日本のオリンピック史上…

警視庁科学特捜班

科学捜査のために設置されたタスクフォース。異能の専門家の集団が叩き上げの刑事たちが主流の捜査本部とぶつかりながら、一見単純に見える連続殺人の裏に潜む巨悪を暴く。正直退屈はしなかったが、登場人物があまりにステレオタイプで全体としての深みにか…