2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

中国が世界を牛耳る100の分野

2050年にはアメリカを抜き世界の最強国になる中国の分析。その強みを政治経済から学術、文化まで100に絞り、その対応策を提示する。人口と豊富な資源を原動力にスピード感を持った集中投資で他を寄せ付けない。日本は感情的な嫌悪感を払拭し、地政学…

大河への道

伊能忠敬を題材にした歴史小説。地元香取市が大河ドラマの誘致を目論むプロジェクト。調査するうちに忠敬の逝去とその公表さらに地図の完成時期との差に気づく。幕閣の反対を恐れた天文方が死去を隠したのではないかとの推測。大事業を完遂したいという関係…

絶景の成り立ちを学ぶ

世界各地の絶景ポイントをビジュアルで紹介。その成り立ちのメカニズムを平易に解説する。いずれもメジャーだが僻地にあり、アクセスは容易ではない。唯一の経験はグランドキャニオン。出来ればフィヨルドは訪ねたいところ。大人の教養シリーズの一冊。 絶景…

世界史とつなげて学ぶ中国全史

中国通史。独特の視点で各王朝の特徴を端的にまとめる。政治軍事だけでなく世界の流れや経済の動きとの関係も重視。歴史的な視点で見れば、中原と南方の争い。現在は沿海部と内陸部の格差。多層的な中国社会は近代国民国家と相性が良くない。一般向けに解り…

芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本

タイトル通り美術鑑賞に関する指南書。美術館の種類からはじめ、敷居の高い初心者を優しく誘う。難しく考える必要はなく、自分の感性を大事にすること。食の好みに喩え、オープンエンドを強調。実践編ではまずはぐるっと回り全体を俯瞰、第一印象で目につい…

討ち入りたくない内蔵助

コミカルタッチな歴史小説。松の廊下から討ち入りまでを内蔵助の心情描写で描く。少しでも藩士の命を助けようと、浅野家再興に駆けるが、幕府の結論が下った後は、討ち入りにより幕府の裁定を正そうとする。人心掌握術とそのうらにある本来の人間臭さを現代…

定年後からの孤独入門

若手から批判をあびる使えないおじさん症候群。社会健康学者の著者がその原因と対策を論じる。多くのインタビューと調査に基づく。繰り返されるのは半径3mの人間関係。過去にこだわらず新たな挑戦をすべき。少し立場は違うが、いずれ誰もが迎える道。励まさ…

大阪城

歴史上のエピソード50編を紹介。史実か伝承か微妙なものを含む。石山本願寺から明治維新までまさに戦乱の歴史。特に大阪の陣後の残された遺族の行く先はあまり知られていない。著者は大阪城の学芸員。昭和の再建からまもなく100年とのこと。 大坂城―秀…

海をあげる

注目の一冊。沖縄の青少年問題に取り組む著者が、沖縄戦の記憶、貧困が産む若年出産。家庭内暴力、それに基地問題と沖縄の現実を赤裸々に描く。ひとり娘の成長が微笑ましいが、テーマはいずれも重いもの。本のタイトルは社会的責任を全国民に問うもの。 海を…

リモート経済の衝撃

コロナ下で一気に進んだリモートワーク。沈静化後も元には戻らず、ニューノーマルとして社会雄価値観の変化をもたらすと予想する。働き方改革のみならず、地方への分散、海外との分業も考えられる。医療、教育とは相性がいいはずであるが、日本は法規制の壁…

誉田哲也が訊く

現代警察小説の書き手である著者が、警察監修を請け負うグループのメンバーにインタビュー。専門分野の大物OBたちで、捜査や組織の内幕に迫る。監修業務についてはエンタメと割り切り演出家の意図を優先するが、ぎりぎりリアィティを失わない様にアドバイス…

宗教図像学入門

三大宗教を中心に、その発展と展開に大きく寄与した図像の歴史を解説する。逆に図像から教義の本質に迫る。一神教はもちろんだが、修行の宗教である仏教にも共通する部分はあり興味深い。隠されたトリビアもあり飽きさせない。新書で網羅しようとするので、…

他者の靴を履く

ある意味で流行りのエンパシーについての評論。他者の靴を履くことで、相手の気持ちをおもんばかること。視野を広めるために子供の教育でも重視されつつある。本書では多くの文献を引用し、その功罪について議論する。結論的にはアナーキズム=民主主義との…

西郷南洲遺訓

西郷翁の遺訓を収集。ほぼ漢文でしかも旧字体。素養に乏しい身には厳しい一冊だが、書き下し文と編者の解説でなんとか読破、正確な理解には程遠いが、高邁な理想と愛すべき人柄は感じられる。史実に影響されている部分も事実。読むべき名著に記された一冊。…

自助論

19世紀イギリスで書かれた人生論。過去の偉人たちの名言、エピソードを集め、若者へ生き方を指南する。強調されるのは勤勉、倹約、誠実。才能よりも努力を重視する。人生の目的は自らの人格を高めることで、最後の瞬間まで続く。訳者により新訳。明治時代…

人口減少社会のデザイン

すでに到来している人口減少。持続可能な社会の維持のための対策が急務である。AIによるシュミュレーション結果から、多極集中による地方分散が好ましい。理想とするのは欧州の地方都市コミュニィティモデル。日本は経済成長がすべて解決するという幻想から…

日本の美意識で世界初に挑む

著者は西陣織老舗の12代目。衰退産業の再生のために海外進出。従来の着物の枠にとらわれず、美術工芸品として一流ブランドに認められる。京都の伝統工業でネットワークを形成。先端技術を含めた新たなコラボで世界に価値を問う。繰り返されるのは妄想をイ…