2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マレーシア航空機はなぜ消えた

乗員、乗客と共に消息を絶ったMH便の謎に迫る。限られた情報で作者がたどり着いた結論は、機長によるハイジャック説。背景には機長の遠縁であるアンワル元副首相絡みの政治劇がある。長時間の飛行中にマレーシア政府と交渉を行い、要求が通らず最後は自爆…

二千七百の夏と冬

ダム工事現場から発掘されたカップルの古代人の人骨。縄文原住民の少年と弥生渡来人の少女の出会いと純愛。文化の遷移期特に米作文化の導入期を舞台に物語は展開される。巨大なヒグマとの執拗な戦い。異文化の出会いによる軋轢と争い。底流には日本人のルー…

ダヴィンチの最後の晩餐はなぜ傑作か

キリスト教にまつわる西洋絵画を、聖書の物語からひもとき解説する。アダムとイブの原罪、受胎告知さらに最後の晩餐といった題材が時代により、画家によりどう描かれて来たかが、豊富な図像とともにわかりやすく語られる。文化センターの講演が元ネタとのこ…

ゼロの迎撃

北朝鮮と中国の共謀テロが東京を襲う。台風に乗じて隅田川の堤防を決壊させるという身近な設定。立ち向かうは情報管の三佐をトップとする僅か4人の敵。官僚制と法規制という内部の敵とも戦うことになる。むしろこちらが主題。決断力のある首相の存在が救い…

京都ぐるぐる案内

京都を舞台とする著者の作品からの引用と写真から構成される。百万遍や吉田山と言った京大周辺の穴場が多数紹介される。古都の持つ独特で不思議な雰囲気を愉しめる軽めの案内本という位置づけ。森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)作者: 森見登美彦出版…

嗤う名医

医療ミステリー短編集。ある程度の立場にある中堅の医師が主人公。職業上の悩みや激務から来るストレスがテーマとなる。現実にありそうな設定で読む側を楽しませる。嗤う名医作者: 久坂部羊出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/02/26メディア: 単行本この商…

推定驚異

小松基地に配備された新型練習戦闘機(TF)で不可解な墜落事件が相次ぐ。メーカーの女性技術者であるヒロインは、元社員であるフリーのデザイナーと協力して問題の真相に迫る。積極的な好奇心の発露と持ち前の騒がしさで現場に溶け込み問題を解決に導く。最後…

艦これ

人気ゲームのノベライズ小説。他愛ないの一言。日本海軍の軍艦をキャラ化しているネトゲの雰囲気は理解できた。艦隊これくしょん ‐艦これ‐ とある鎮守府の一日 (角川スニーカー文庫)作者: 椎出啓,鷹見一幸,銅大,こるり,「艦これ」運営鎮守府出版社/メーカー:…

小説外務省

外務省の若手官僚を主人公に副題にあるとおり尖閣問題の正体に迫る。現在の外務省はアメリカンスクールが主要人事を独占しており、自主外交とはほど遠くアメリカのいいなり状態。中国とは国交回復時に尖閣問題は棚上げしていたはずなのに、国有化により自ら…

[書評]青い約束

高校時代のボクシング部の親友。恋人の自殺を機に疎遠になっていたが、30を過ぎ経済部記者とアナリストとして再会する。肝臓ガンで死を覚悟した記者の手記で過去の秘密が明らかとなる。言わばオーソドックスな青春小説。社会の歯車として自分を曲げない姿…

ミッション建国

主人公である保守与党の青年局長(モデルは小泉ジュニア?)が若手議員の勉強会を立ち上げ、日本の未来への政策を提言する。キーは少子化対策、老齢化対策、一次産業回帰による地方活性。ハコモノ投資ではなく、若い世代の巣(ネスト)となる住宅投資を提案…

消費をやめる

経済論評。欧米型の消費社会を批判。戦後ニッポンの歴史は「労働」から「消費」の時代への転換であったとする。高度成長期から刷り込まれた欧米への憧れが、経済戦争での敗戦という今日の低迷を招いたとし、商店街や銭湯に代表される日本型コミュニティーへ…

原発ホワイトアウト

現役の経産省官僚が小説仕立てで原発に絡む政財界の暗部を暴く。独占企業である電力会社は自民党政権の集金マシーンとして機能し、癒着により政治力を発揮する。反対勢力は知事であれ、マスコミであれ国家権力を駆使して排除。原発の再稼働に漕ぎ着けるが、…

大絵画展

バブル期に日本企業が買いあさった名画。現在では銀行の担保として回収され専用倉庫に眠る。国際的な詐欺強盗集団がこれに挑む。実行犯に選ばれたのはそれぞれの事情で借金に苦しむ男女。彼ら自身も実は騙された立場。背景には絵画に翻弄された主人公達の矜…

ポニーテール

両親の再婚により姉妹となった小学生の二人。気の強い6年生の姉と気を遣い泣き虫の妹。徐々に距離を縮めてお互いを認め合う。両親も新しい子供達に戸惑いながら、新しい家族を築く物語。基本的に妹の視点で語られるが、時に亡き母親が語り部になる。ほのぼ…

野球部ひとり

部員不足に悩む底辺校の野球部。超進学校にただひとり残った野球部員と合同チームを組むことになる。熱くうざいエリートは当然軋轢を起こすが、彼には過去に打球が親友を直撃し、障害者にしたトラウマがあった。お互いをぶつけ合うことでチームは融和。強豪…