2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

父が娘に語る経済の話

著者はギリシャの経済学者。娘に語り掛ける形式で経済史を紐解き、資本主義社会の成り立ちを解説する。前半は非常にわかりやすいが、後半未来予測の部分になると、主張が急にわかりずらくなる。現代の経済学には批判的。公式のある神学とこきおろす。将来へ…

ソロモンの偽証

中学校で起こった生徒の不審死。自殺と思われたが、殺人を指摘する告発状もあり疑問が残る状態。女子学生の発案で校内裁判が行われることに、役割を負う各生徒の事情と心情を丹念に描く。最後の法廷編に入り一気に佳境に入る。思わぬどんでん返しは流石だが…

羊と鋼の森

ピアノ調教師を題材とした小説。北海道の田舎育ちの青年が、高校時代に出会った天才的調律師に憧れ、その道を目指す。地元の小さな楽器店に就職し腕を磨く。それぞれ癖のある先輩たちと、様々な客先。双子の女子高校生が重要な役割を担う。ピアノは演奏者だ…

FACT FULNESS

著者は公衆衛生学者。既成概念に捕らわれず、事実をもって社会の真相を理解する姿勢を長年推奨する。人間にはそれを阻害する10の本能があり、その傾向と対策を本書で解説。実際のデータをビジュアルに図示し説得力に富む。人類は貴重な犠牲を払いながらも…

弾み車の法則

著者の経営学の名著である「ビジョナリーカンパニー」からの抜粋。いかに弾み車を回し企業を発展させるかにフォーカスする。単なる回転でなく、拡大していくことが必要。組織によっては、時代を見据えてタイミングにより別の車を用意し乗り換える場合もある…

幸之助論

経営学者の書いた唯一の伝記。神格化せずその生涯をたどり成長の軌跡を追う。零細企業から顧客志向と勤勉さで戦前に拡大。戦争と財閥解体で大きな痛手を負うが見事に復活。事業部制で権限移譲。衆知を重んじ社員自主性を尊重。順応性の高い企業文化を醸成。…

だから何

最新エッセイ集。本人はコラムニストを自称。映画評論がメインだが、政治から芸能、相撲まで幅広く世相を斬る。立ち位置は極めて常識的だがポーズはシニカル。世代的には少し上だが、ネタは共有できる。文章も巧みで愉しく読めました。サンデー毎日への連載…

2050年のメディア

デジタル化により急激に発行部数を減らす新聞各社。下り坂の中で将来への展望を求め苦戦する。日経は有料デジタル化で成功。読売は強力な販売網に生き残りをかける。一方でヤフーはメディアから距離を置き、データ会社を目指す。慶応での特別講義をもとにま…

原田マハの印象派物語

7人の画家を取り上げ、そのショートストーリーで生涯を描く。これまでの著者の作品の中からエピソードを取り上げる。生活や恋愛感情は一応フィクション。巻末にフランス紀行と対談を掲載。自身はモダンアート側から印象派に入ったとのこと。既知の部分が多…

ティール組織

新たな組織論。本書はそのイラスト付き入門書。オランダの介護組織ビュートゾルフが成功例として示される。フラットな組織で目指す所は人間性の回復と自然生物のような組織。本来の善性を信じ、すべての構成員が全体のために機能する。ティールは青緑色、従…

企業変革力

21世紀を迎えるにあたり、企業を新時代型に変革する必要。その具体的なステップを8段階に分けて解説する。どんな組織には抵抗勢力が強力に存在する。成功へのカギは如何に周囲を巻き込み、組織のモチベーションを維持するか。マネジメントではなくリーダ…

神様の御用人2

続編。日本人の信仰が薄くなり、それぞれに問題を抱える神様を助ける御用人。古事記に登場するもののなじみの薄い神々を擬人化。人との繋がりをテーマに温かいファンタジーとなっている。旅行の友として軽めに愉しむ。 神様の御用人 (2) (メディアワークス文…