2026-06-01から1ヶ月間の記事一覧

大阪人はなぜ太閤さんが好きなのか

大阪では未だに絶大な人気を誇る太閤秀吉。徳川に滅ぼされた恨みと東京への反骨心の現れ。明治政府に反徳川として上手く利用され、戦前では大陸侵攻のシンボルとしても利用された。再建された大阪城は今でも町のシンボルである。すでに100年とのこと。結…

チャンバラ

宮本武蔵を題材とした時代小説。剣客としての勝負を章ごとに描く。吉岡兄弟、吉岡一門、佐々木小次郎と難敵に対してそれぞれ明確な戦略を立てて薄氷の勝利を得る。最後は育ての父との死闘。初恋の姫君との淡い恋愛と運命も織り交ぜる。著者の作品は久しぶり…

いまどきの若者の150年史

タイトル通り近代日本の若者観を分析する。多くの社会学等の文献を引用。戦後だけでも団塊、新人類、バブル、ゆとり(さとり)と連なってきた。政治への関与度、経済的な状況で左右されるが、大きな流れとしては個の尊重、重視が見られる。直近はネット社会…

イランの地下世界

イランに長く暮らし、その国民性、社会を熟知している著者のルポ。敬虔なイスラム教徒というのは見せかけで、政教一致の独裁の危うさを指摘する。見栄っ張りで享楽主義だが愛すべき人々。個人レベルのプチ独裁を好む個性が、大きな独裁を受け入れているとす…

未来を照らすコトバ

ビジネス書をネタにした対談。図書館長と司書という立ち位置。書籍の照会よりお題をもらい、それぞれの考えを披露する形。話題のベストセラーが多いが、洋書7:和書3くらいの構成。もうひとつインパクトが無い。ラジオで聞けば心地よいのかも知れない。 -過…

宇宙でラーメンは食べられるか

宇宙飛行3回を誇る著者が、その実態を書き記す。スペースドラゴンによる打ち上げからISSでの滞在。帰還まで軽妙な文章でわかりやすく解説。強調されるのは無重力の世界。食事から、入浴、排泄まですべて特殊な環境と制約。後任のために立つ鳥後を濁さずを徹…

爆弾犯の娘

衝撃的なノンフィクション。著者が物心ついた時から、自宅に潜る父親。音を立てず、靴を持たず、名前も明かさない。元役者で70年代の爆弾テロの犯人グループ。逃走中に母親と知り合い、著者が生まれたとのこと。池袋周辺で頻繁に住居を変えて潜伏すること14…

103歳ひとりで生きる作法

エッセイ集。短めの本文から至言を引用する構成。日常生活から生い立ちの想い出、芸術に対する想いを凛とした文章で端的に語る。豊富な読書量にも驚かされる。著者の作品を連続して読む形になったが、清々しい読後感。名文である。 -百里のうち九十九里を人…

これでおしまい

100歳を超えた女流アーティスト。自叙伝、エッセイ、名言から構成。大正時代大連の生まれ。時代や常識に反して自己流を貫く。書から画へ。世界に認められる存在となる。貫くのは反骨精神。老いてますます自分の信じた道をいく生き様。 -生きている限り人…

虚空蔵の峯

江戸中期、郡上八幡で金森家の圧政に苦しんだ人々が、幕閣への直訴に及ぶ。一旦受理されたように見えたが、実態は藩任せで何も変わらず、現地は百姓一揆の様相。白山信仰がらみでは悪神主が横暴を振るい怨嗟の対象となる。結局評定となり、大名は改易となる…

ニッポン巡礼

日本文化に造詣の深い著者が、各地の秘境、隠れ里を巡礼する。キーワードは茅葺屋根。智頭、南会津、青ヶ島とメジャーでないところが多い。危惧するのは土建国家による環境破壊。古木の伐採による森林の均一化。オーバーツーリズムによる観光地化。本書の初…

野馬追で会いましょう

相馬の野馬追祭り。飛び込みで取材に入った著者と温かく受け入れる平本一家。祭りはまさに戦国武家社会の再現。ピリピリした軍事演習の世界である。一家は浪江町に本拠を置き、震災原発被害を経験する。未だに色濃く残る爪痕は祭りに関わる人々の生活に大き…

科学的な適職

数多くの欧米文献から、メタ分析の結果を引用し、科学的な職業選択を提案する。基本的には自己のバイアスを克服することがキーとなる。よくあるノーハウ本かと思ったが、後半は具体的な手法が例示され興味深かった。 -10/10/10テスト -イリイストノート(三…

ひのえうまに生まれて

今年還暦、丙午女性である著者が、その歴史をひもとく。文献調査では60年ごとに、出生率の低下がみられるが、最も顕著なのは昭和41年。マスコミが騒いだことによるだろうとの推察。本人はレア感を愉しみ、悪い思いはないとのこと。勇気を持った親に感謝。起…

北極星

投資の推奨本。自ら経営するエンタメ集団を例に、未来を切り拓くアィデアを提案。この本の出版自体をクラウドファンディングで行うところがラストのおち。若者向けに書かれているが、一般企業としても通じるロジック。理論自体は王道であるが、独自の語り口…

それいけ平安部

青春群像小説。高校で新たに作った平安部。かき集めた部員は個性豊かな5人。それぞれの事情を抱えながら友情を育みやがて一体化。蹴鞠大会で優勝したり、文化祭を成功に導く。周囲のキャラもみんな良い人でサポートしてくれる。明るく爽やかな読後感。少し…

山手線が転生して加速器になりました

SF短編集。コロナで壊滅的な被害を受けた政府は都市を放棄。跡地は廃墟と化し、山手線は加速器として利用される。知能と人格を持った彼は実験をしつつ会話で楽しませる。全7編の書下ろし。出来不出来は作ごとに異なるが、全体として楽しめた。理系の匂いのす…