2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

崖っぷち母子仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ

30半ばのシングルマザー著者が、新聞記者の仕事をやめ息子を連れて大連へ留学。異文化の中で暮らしながら、息子はしっかりバイリンガルに育つ。本人は結果としてさまざまなビジネスを立ち上げながら、最後は伴侶をゲットして帰国する。中国人の身勝手でいい…

終末格差

日本の高齢化問題を総括的に解説する。年金と医療、介護の問題。特に複雑な年金体系についてはページを割く。年金については景気動向により左右されるのは事実であるが、将来的に苦しいことは変わりない。メカニズムはよく理解できた。個人的には金融資産は…

どうしたらお金持ちになれるの

子供向けの経済教育書。簡単なゲームで資産運用や自己啓発による人本資本の高め方を説く。強調されるのは複利の優位性。子供に対しても言葉を濁さず合理的にずばりと言うところは著者の真骨頂。基本的なことばかりだが教育に悩む親には有難い内容。 -この世…

中野武営

明治大正期の財界の巨頭。中野武営の伝記。讃岐の武家の出。官僚から鉄道会社等の経営に。議員として政治にも深くかかわる。大隈の改進党系の立ち位置。その清廉潔白な人格が高く評され、渋沢栄一の跡をついで東商の会頭となる。軍部や藩閥の強い時代、実業…

東京島

無人島小説。漂着した中年夫婦の住む島に、日本人の若者グループ、中国人のグループが加わる設定。30人超の住人の中で、ヒロインのみが女性といういびつな状態。夫が亡くなり、その後権力者が変わるなかで、奔放な女王として君臨する。男たちはグループ化し…

母ちゃんのフラフープ

著者が故郷下関での自らの生い立ちと、今は無き母の想い出を綴る。元看護師で明るい性格の母は、家族の中心でよく出来た人、かなり豪放で全力で子育てにあたるイメージ。反抗的で芸能界に憧れる著者を導く。晩年は癌との闘病だが、延命治療はせず、最期を受…

孫子の兵法思考術

インテリジェンスを軸とした時事批評。紛争の続く世界情勢を孫子を参照にしながら解説する。当事国であるロシア、イスラエルは諜報機関が強く、ロジックはぶれない。正義が必ずとも正しいとは限らないとバッサリ。意外と岸田政権下の日本の諜報力も高く評価…

キッチンハイク突撃世界の晩ごはん

キッチンハイクは著者の造語。世界各国で見知らぬ家庭を訪問し、食事をご馳走になる旅。一応アポは取ってあるが、実際の訪問では緊張する。食事をともにすることで、一気に距離感が縮まり、友人関係となることが出来る。日頃味わえない家庭料理の醍醐味。世…

運を味方にする人の生き方

栗山氏と円覚寺の管長横田氏の対談。野球は全く知らない管長は事前に勉強され、WBCをネタに会話が成り立つ。リーダーの要諦は信じ切る力と寄り添う心。お二人は参禅30年と生涯の学びを目指す。平易な構成だが、お互いの生き方に対する敬意が表に出て、清々し…

サーキットスイッチャー

近未来SFミステリー。自動運転AIの開発者である社長が、オフィス代わりの自動運転車で拘束される。犯人は妻子を事故で失ったエンジニア。トロッコ問題でイスラム系の人間が選択されたことに憤り、事実を世界に公表するためテロ行為に及ぶ。問題解決にあ…

ひとが生まれる

幕末から、大戦までを生きた5人の日本人の評伝。取り上げられるのは中浜万次郎、田中正造、富岡製糸場の女工横田英子、無籍者でアナーキストの金子ふみ子、学徒出陣の林尹夫。後半3人は不勉強で詳細知らなかった。共通するのは時代に翻弄されず、自己を確…

この本を盗む者は

若者向けファンタジー小説。主人公は本嫌いの地方個人蔵書家の跡取り娘。祖母がかけたブックカースにより、盗まれた本の世界へ引き込まれる。街が小説の舞台となり、住人がそれぞれ役を与えられ登場する。設定は面白いもののもう一つ引き込む力がない。期待…

なぜハーバードは虎屋に学ぶのか

ハーバード大で人気の高い日本の歴史、企業の研究。日本への教員、学生のツアーも行われている。長寿企業である虎屋も注目の的。一子相伝の経営。時代にあわせたイノベーションなのが、KFSとなる。授業は議論が中心となり実践的。ここで鍛えられた強者が経営…

湖池屋の流儀

湖池屋社長の著者の自伝。キリンでマーケッターとしてヒットを連発。請われて赤字転落の湖池屋に、カルビーとの価格戦争から脱却し、」ブランド戦略路線に転換してV字回復。社員の意識を変えるところからスタートする。歴戦の兵でも、発売開始前は不眠に陥…

無印のカレーはなぜ売れたのか

著者はあべの調理師学校の出身。ヨーロッパで修行。シェフから外食産業のコンサルに転身。良品計画のバターチキンカレーをヒットさせる。ターゲットを絞り込み、無印のフィロソフィーを第一義に据える。言わばマーケティングの王道である。後半はコストから…

富める者だけの資本主義に反旗を翻す

自ら目指す、「公益資本主義」を繰り返し主張。従業員への還元を重視しそれにより、教育を受けた健康で豊かな中間層を作る。バングラやアフリカで実践。アメリカでの株主資本主義を強く批判。短期の利益を追い求め、結果として中間層が没落、貧富の格差が広…

アゲもん

シェア0.3%と弱小ながら、独特の地歩を誇るポテトチップメーカー菊水堂。その創業者と家族の物語。群馬の養蚕農家の出身。戦後の菓子業界で身を立て、ポテトチップにこだわり続ける。カルビーなどの大手の構成、大震災による土産品の販売減など、何度も…