2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ニュースのあとがき

現在、報道ステーションのメインキャスター。世界各地、特に紛争地には自ら出向き、取材し放送する。情のこもった報道は共感をよぶであろうことはこのコラムの文章からも十分にうかがえる。若いころはNHKの政治記者としてならし、政界の表裏にも通じる。硬派…

君を守ろうとする猫の話

ファンタジー小説。第2弾。喘息持ちだが本好きの少女が、トラ猫に導かれて、灰色の王国との戦いに臨む。武器は勇気と正しい心。敵の正体は貨幣。作られしものえで増殖するもの。これに支配されると人は欲望に走り心を失う。途中まで本の大敵ネット社会かと思…

町工場の星

続編。父の急死により社長に就任してから20年。景気の大きな変動に左右されながら、見事な経営を続けている。精密加工に特化し、業界内で揺るぎない地位を確保し、社内には相次ぐ変革を積極的に導入。特に若手の採用を増やし、自社で人材を育てる。世代交…

世界一のアントレプレナーシップ

著者はアメリカの大学で「起業家道」を教える。単に利益を目的とするのではなく、社会問題の解決のため、高いビジョンを持って邁進する。それぞれの特性を持った5人の変態によるチームが理想。リーダーには彼らを納得させ鼓舞する言葉が必要。学生向けに平…

歴史の現場読み歩き

大阪キタ。中之島から梅田を中心にした史跡巡り。豊臣時代から、江戸、近世まで。街は様変わりしており、記念碑程度しか遺構は残っていないが、川筋や橋、道にその名残をとどめる。土地勘のあるところだけにスラスラとイメージは入ってくる。毎日新聞大阪版…

HONZが選んだノンフィクション

ネット上の書評サイトHONZ。ノンフィクションに特化し、多数のレビュアーが投稿するシステム。創立10年を記念して、100冊を選ぶ。正確にカウントしてないが1割程度は既読。意外と海外物の比率が高い。読みたい本は目白押しだが、各ジャンルから一冊選んでみ…

天に挑む

戦国武将大谷義継に自らの人生を語らせる構成。比叡山での出生から関ケ原での戦死まで、その生涯は秀吉の愛顧と盟友三成との友情によって支えられる。知に走る三成に対し、武を重んじ人心掌握に長ける。秀吉の没後は、徳川との調整に搬送するが、しだいに家…

流出する日本人

最近の海外移住事情を統計をベースに論じる。日本からのプッシュ事情は、災害、経済不安、ジェンダー問題などマイナスの要素。現地からのプル事業は、高賃金、語学、教育と魅力的に見えるものが多い。副題にあるように現実は光と影の、影の部分が大きい。特…

覇権国家アメリカ対中強硬の深淵

ますます激化する米中対立。既存と新興の覇権国家の対立は今後とも容易に解消しない。アメリカから見れば従来の関与政策から競争政策に転換。喫緊の課題は台湾情勢。現状維持が現実的な解であるが、中国がそれを許容するか。アメリカ側の抑止力がキーとなる…

人生のレールを外れる衝撃の見つけ方

決められた人生では無く、この身を駆けるようなライフワークとの出会い。これを衝撃と呼び、偏愛から生まれるとする。精神的、神秘的なもののように捕らえがちだが、セルフインタビューによる自己分析、さらに衝撃を目的化するには知性の働きが欠かせない。…

A Wild Idea

長い邦題の通り、ダグ、トンプキンスは起業家から環境保護活動家へと転身。現在のノースフェースを創業した利益で、チリやアルゼンチンの広大な自然の土地を購入。国立公園とする。若いころは登山やラフティングに挑む本物の冒険家。地元の既存資本や政治家…

本屋のない人生なんて

地方で奮闘する独立系書店11店を紹介する。出版不況で書店がつぎつぎ消滅し、本屋のない市町村も増える中、強い想いとこだわりを持ち、苦しい経営の中で文化の灯をともす。武器は独自の選書による棚の構成。先達から次の世代へ受け継がれていく流れも貴重。…

ラプカは静かに弓を持つ

主人公は著作権協会の職員。少年時代に誘拐されかけた過去から、メンタルに難を持つ。社名で大手音楽教室(ミカサ=ヤマハ)の潜入捜査を命じられる。教室での著作権を巡る争いがバックボーン。講師や同級仲間との交流から心が和らぎはじめ、組織を裏切る決…

トヨタ中国の怪物

トヨタの中国総代表服部氏の生涯を描く。本人への20時間インタビューがベース。技術者の父親について戦前の中国へ渡る。戦後は父親の意思で残留。エリート中学で首席でありながら、出自が問われ名門大学への進学は叶わず、文革では迫害を受ける。70年によう…

ルポ足立区

著者は足立区竹ノ塚で育つ。小3の時に父親は逮捕。本人もしっかり不良の道を歩み、覚せい剤や暴力、喧嘩を繰り返す。ヤクザや半ぐれの世界を生々しく描く。何が悪いというわけではなく、周囲や先輩を見て悪の道に憧れ、自然と入っていくイメージ。おそらく本…

M-1はじめました

著者は吉本興業のプロデューサー。2000年当時凋落していた漫才を立て直すべく、島田紳助の助言を受けてM-1を立ち上げる。スポンサーもTV局も断られ、まさにグラスルーツのプロジェクト。救ったのは若手を中心とする芸人の熱い思い。初代勝者は中川家。出演メ…