愛国とナチの間

ドイツの政治と社会に関するルポ。メルケルの長期政権は一見盤石でが、内実は連合政権で現実的な妥協を迫られる。人道主義で難民を受け入れた結果、右翼の台頭を許し、社会の分断が進む。ナチへの反省から右翼の内部も複雑。移民を排除すれば経済が回らない現実。問題山積みなのは日本の近未来。メルケルの後継問題は定まらず、より不安定感が増す。著者は朝日新聞の駐在員。簡潔で読みやすいが、日本ではあまり知られていない政治家が多く、イメージが結びつかない部分はある。

 

愛国とナチの間 メルケルのドイツはなぜ躓いたのか

愛国とナチの間 メルケルのドイツはなぜ躓いたのか

  • 作者:高野 弦
  • 発売日: 2020/10/20
  • メディア: 単行本