経済

ビジネスの未来

近未来を予想する。長期的に見れば世界経済は成長期を終え、高原状態に移行しつつある。これからは限界曲線の外側にある社会問題の解決に取り組まねばならない。人々の意識改革が必要。単純な働き方の改革ではなく、人生の目的まで踏み込んだもので、少し宗…

仕事ができるとはどういうことか

対談。ビジネス社会における「スキル」と「センス」を評価する。日本社会では前者に重きをおくが、重要なのは後者。定量的に評価しにくい能力であるが、一定以上の組織を率いるには必須。思考法はインサイドアウト。仕事は自らの意思の表明。著名な実例をあ…

ふくしま原発作業員日誌

原発事故から10年。現場で戦った作業員たちの記録。報道管制が厳しい中、丹念な取材で人間関係を構築。それぞれの思いと現場の理不尽さを描く。彼らを支えるのは郷土愛と使命感。厳しい労働環境と被爆の恐怖の中での奮闘には頭が下がる。もちろん危険手当…

金融バブル崩壊

警告の書。現在の金融市場は完全にバブルであり、早晩崩壊が避けられない。コロナ下で財政出動が加速され、行き場のない市場がマーケットを押し上げている。次に来るのはハイパーインフレ。理論的に考えるとまったく正しい見解。対策としては銘柄を選抜した…

世界最先端8社の大戦略

タイトル通り、8社の戦略モデルを解析、解説する。Tesla, Apple,Salesforce, Walmart, Microsoft, Peloton, DBS, Amazon。良く知られた巨大IT企業だけでなく、新興企業、既存事業から大転換を果たしたモデルも紹介。DXがキーワードだが表面的なものでなく…

稼ぎ続ける力

定年を目前に控えた50代への老後の指南書。年間や資産運用はあてにならず、自ら起業して稼ぐことを推奨する。具体的なお勧めはサイバー空間での起業。現役のうちに会社の業務でITの世界に慣れておくこと。長年の経験とサイバーの知識があれば、引く手あま…

株式市場本当の話

長年株式市場を取材した日経記者が、現在の市場を取り巻く状況、問題点、将来展望を解説する。必ずしも楽観的でなく辛口な論調。将来の人口減少で日本市場は自然とゆるやかな下落が予想される。東証の制度変更は大きな契機になる可能性が高く注目すべき。推…

ルワンダ中央銀行総裁日記

独立間もないアフリカの最貧国ルワンダ。著者は日本銀行、IMFから派遣され中央銀行の総裁を務める。2重だった為替通貨の一本化を断行。大統領から絶対の支持を得て、財政再建だけでなく、経済振興策も提言。その後順調な発展の礎となる。宗主国頼りの植民地…

大前研一の世界の潮流2020-21

シリーズ版。トランプとコロナによって破壊された世界。その影響はしばらく続くと予測。注目すべきはブレクジット後のイギリスの動向。スコットランドの独立が焦点。自動車産業はEV化で今後大幅な削減が見込まれる。日本は低迷が続くが、強国中国にぶら下が…

新L型経済

対談の形を取るが、田原氏は聞き手。富山氏の日本の経済対策に関する主張。G(グローバル)型企業は伸びしろが少なく、これからはL(ローカル)型に主軸を置くべし。具体的には地方の中核都市に東京から人口を移動させ、雇用と需要を創出する。生産性の低い…

日本の構造

副題にあるように統計データから現代日本の状況と問題点を浮き彫りにする。特に戦後の履歴データが示されるので解り易い。高度成長から安定成長その後の長期低迷と日本経済と社会の劣化は明らか。簡単に言えば普通の国。幻想は断ち切る必要がある。今後の課…

働くあなたの経営学

若手に向けて書かれた経営学の入門書。実践に応じた学問領域を実例をあげて説明する。章立ては戦略論、組織論、リーダー論。内容的にはきわめて常識的で斬新なものはない。読者にはさまざまなことに積極的に取り組むようにアドバイス。 働くあなたの経営学: …

日本企業の復活力

コロナ化にあえぐ日本企業への応援歌。欧米に比して直接的な被害は浅くポジションとして優位にある。過去の危機を乗り切った経験からむしろチャンスととらえるべき。キーとなるのは一配慮、一手間によるアナログとデジタルの融合。成長のためには積極的な投…

未来を見る力

近未来日本が直面する人口減少。これはもう避けようがない事実。未曽有の静かなる有事。政治も企業も小手先の対策ではどうにもならない。基本は縮小均衡を受け入れること。拡大志向のビジネスモデルからの転換が求められる。いかに戦略的に縮むことができる…

両利きの経営

評判の経営書。要は既存ビジネスの深化と新規ビジネスの探索を両立させ、イノベーションの時代を乗り切ろうという内容。結論的には当たり前だが豊富な企業研究からその実例を示す。特に利益を上げている既存分野には大きな慣性が働くので、新規はつぶされや…

会計士と画廊主の異色の対談。美術界をビジネス的な視点で分析していく。日本の美術館の収蔵品は時価評価がなされず、フローもストックも実態は不明のまま。改善の余地は大きい。最終的な論点は美意識に及ぶ。軽めの記述の中で美術史上の蘊蓄も随所で語られ…

人新世の資本論

気候変動により人類は滅亡する。SDGSでは間に合わない。それを防ぐには資本主義から脱却し、経済成長から決別すること。脱成長のコミュニズム。これは晩期のマルクスがたどりついた思想と合致する。すでに欧州ではその流れに乗った市民活動が支持を得ている…

デジタル化する新興国

急速に拡大するIT社会の現状を解析。対象となる新興国には中国、インドがメインとなる。20世紀の工業化の進展となぞらえ、類似点、相違点を整理。スピード感と末端までの変容度はおおきくなるだろう。デジタルによる社会変革は新興国の可能性と脆弱性の両…

2025年を制覇する破壊的企業

ベンチャーキャピタリストによる近未来産業地図。GAFA+M、テスラ、ネットフリックス、ロビンフッド(金融)、インポッシブルフーズ(植物肉)、クラウドストライク (セキュリティ)、ショッピフライの11社による産業支配を予見する。いずれもアメリカのIT…

P&G式伝える技術徹底する力

グローバル企業であるP&Gの強さの秘密を、元日本支社広報部長である著者が解説。シンプルな企業の目的とその徹底。判断に迷った際は目的に立ち戻る。達成するための細かい手法も紹介される。当たり前のことを地道に浸透させていくことの大切さ。大企業病も克…

共鳴する未来

データ革命による新しい社会像を予見する一冊。これまでの資源資本とことなり共有財としてのデータは蓄積するほど価値が向上する。現在はそのデータを無償で供出し、GAFAが独占する形になっている。ビックデータの活用が進んでいるのがヘルスケア分野。実感…

日本電産永守重信社長からのファックス42枚

永守イズム実践の書。著者は日産出身。日本電産のM&A先の代官として経営立て直しを委ねられる。有名な話だが、リストラは一切行わず、いずれも1年で優良会社に変身。キーは企業風土=土壌の入れ替え。要求されるのは徹底したスピード感とマーケット主導。永…

僕は君の熱に投資しよう

著者は日本のベンチャーキャピタリストの草分け的な存在。学生時代からスタートし次々ファンドを成功させる。自らを才能取扱業と称する。本書は7日間の講義形式で優秀な若者を煽り、起業を促す。評価したいのはITに特化せず、基礎技術たるシーズにまで目を…

新仕事力

単行本「個人が企業を強くする」の新書版。新たに追加されたまえがき、あとがきのみをチェック。コロナ化で書き足したとのことだが、阿漕な商売。言われないと多分気づかないが。時間を節約。 新・仕事力~「テレワーク」時代に差がつく働き方~(小学館新書…

ポストコロナ時代の稼ぎ方

大前経営塾の講演集。タイトルと異なり、17ー18年のプレゼンが多く現在と状況は異なる。働き方改革はホットな話題で、日本企業はいかに生産性を上げるかが大きな課題。元東レの佐々木氏、日本電産の川勝氏の講演が内容的には濃く、多数引用した。図表も…

起業家の思考と実践術

アメリカ、バブソン大学で教鞭を取る著者が、起業家教育のエッセンスを示す。ストーリー仕立て、さえない若者が失業。著者のアバターに触発され起業を成功させるまで。繰り返されるのは社会問題の解決。起業は失敗の連続なので自分が楽しめることでないと続…

直感で発想、論理で検証、哲学で跳躍

タイトルがそのまま結論である。経営者の心得を要約。著者の長年にわたる経営学の集大成。ヤマト運輸、日清食品、ホンダ、川鉄と名だたる名経営者の経営判断を題材に、3段階それぞれの肝を詳述。若者には如何に日頃の小さな集積が重要かを繰り返す。3つと…

ニューノーマル時代の構想力

BBTでの講義集。大前氏の主張は従前どおり、教育改革と道州制。いつまでも動かない日本の政治にいら立ちを隠さない。AIの第一人者松尾教授と建築家安藤忠雄氏の講演が目新しい。時代の変わり目で将来への構想力が問われる。 大前研一 ニューノーマル時代の「…

フードテック革命

次に来る注目分野である食料業界を俯瞰する。人口増と所得増で700兆円の市場規模。一方で環境、食糧問題への対応も必要。前半は注目すべきテクノロジーを紹介。キッチンOSと代替タンパクは注目。明らかに欧米が先んじており、日本にとっては第二のスマホ…

教養としての投資

著者は農林中金のファンドマネージャー。バフェット流の株式長期保有を基本とする資産運用で成果をあげる。徹底した調査と仮設の検証。優良企業を選定する。繰り返されるのが参入障壁の有無と長期潮流。日本企業には手厳しい。投資というより経営面で参考に…