経済

格差の起源

世界史を大きく俯瞰し、人類の発展(第1部)と格差(第2部)の起源を探る。成長の最大要因は産業革命と人口転換。機械化により人間は単純労働から解放され、量から質への転換が起こり、「マルサスのくびき」から解放された。格差は地形の問題と、出アフリ…

最強知名度の作り方

イモトのWIFIとニシタンクリニックで名を馳せた企業家。ともかく知名度優先で市場に参入、完成度は後追いさせる経営手法。具体的にはインパクトのあるCMで名前を連呼する。商品説明は極論すれば客に検索させる。効果は抜群で市場を占有。金融や採用にも好循…

日本株を動かす外国人投資家の思考法と投資戦略

最新の外国人機関投資家の動向を解説。籍は海外法人だが実際の運用は日本人が担当しているケースもある。最大の問題は下向きの国勢により、投資対象となっていないこと。巨大ファンドの運用額から見れば日本株の比率は数%に過ぎず、さらに減少傾向とのこと…

2040年の未来予測

タイトル通り、20年先の未来を予測する。著者はテクノロジーの信奉者で明るい未来を予測してきた。5G,6Gにより完全なIT,自動化社会が到来し、生活は一変する。日本は高齢少子化で衰退モードが避けられない。さらに温暖化による災害の発生は予測しようがない…

家計簿から見る中国今ほんとうの姿

中国の中流家庭に焦点をあて、その家計と生活ぶりを浮き彫りにする。国全体といしては豊かになっているが、教育費が高騰し、二人目は望めない。このままでは少子化、高齢化がかなりのスピードで進行する。一人っ子は皇帝化し、月光族となる。稼いだ金は使い…

世界の潮流2022-23

シリーズの最新版。トップはウクライナ。日本では西側の報道が主流だが、ロシア側の視点を紹介。一定の理解はできる。中国の台湾進攻は無いと断言。次いでコロナ対応。立ち遅れた日本の対策に批判。これを機にデジタル化、地方への権限移管を進めるべきとは…

考えて生きる

連載のシリーズ対談。時事問題を中心に二人が自由に語る。歯に衣を着せぬ物言いで、話題が脱線することもしばしばであるが、二人とも何事にも好奇心旺盛に知的な情報収集をしていることはよくわかる。目新しいのは核融合技術の実現と次世代自民党議員のクオ…

円安が日本を滅ぼす

タイトルの円安は現在の話ではなく、日本が凋落を始めた90年代。躍進する中国との競争のために円安を誘導し、製造業をそのままの姿で生きながらえてしまった。本来やるべきは韓国や台湾のように技術を高度化し、世界との水平分業を確立すること。近い将来日…

名門再生

一度経営破綻した太平洋クラブの再生物語。新たに株主となったのはパチンコ業界の雄であるマルハン。近代的な経営手法を持ち込む。創業家一族は何かと問題の多いパチンコ業界を若者や女性に支持されるエンタメ企業に変身させた実績がある。顧客第一主義を貫…

金利を見れば投資はうまくいく

著者は通りキャリア30年のファンドマネージャー。金利の動きで景気動向を把握する。金利は炭鉱のカナリアと喩える。経済学としては極めて基礎的な話であるが、豊富なデータからなる図表は説得力十分。簡易的なスコアリング手法も示され実践的。現在は明らか…

中国減速の深層

元日銀マンで中国専門家の著者が、巨大経済の行方を予測する。人口動態と先進国の罠から成長の減速は避けられないが、政府が目標とする2035年のGDP2倍の達成は微妙なところ。デジタル化、カーボンニュートラル、不動産、金融にもリスクはあるが、中国政府は…

豊田章男の覚悟

巨大企業トヨタを率いるトップの実像に迫る。リーマンショックとリコール騒動を果敢に矢面に立ち乗り切り、カリスマ性を高める。EVと水素の二本立てで将来に備える。日本の電力事情からすると、水素の線も捨てきれない。自らマウタードライバーとしてレース…

お金の未来

対談形式でデジタル通貨の未来を語る。その本質はブロックチェーン、WEB3による非中央主権化である。いまだ勃興期にあり、不安定さもあるが、インターネットの黎明期と同じくやがて洗練され一般化するものと予想する。決済機能などは既存の銀行システムより…

2030年すべてが加速する未来に備える投資法

アメリカ人経済学者が提唱する近未来予想。技術は指数関数的に進歩し、大変革時代を迎える。キーとなるのは「強いAI」の実現。所謂シンギュラリィティだが、AIが人間の知能を超え、自己増殖するイメージ。もう一方は中国政府によるデジタル人民元。これが…

国民の底意地の悪さが日本経済低迷の元凶

長期低迷する日本経済を解析する。結論はタイトル通りムラ社会の悪癖。ゲマインシャフトの色彩が強く残り、真の近代化が達成されていない。高度成長は外部要因であった輸出主導でなされた。復活のためには国内消費の喚起が必要だが、そのためにはマインド変…

裏道を行け

キーワードはHACKハック。社会のバグを利用する賢者の手法として肯定的にとらえる。恋愛、投資金融から自己改革に至るまで驚きの事例が紹介される。コロナ化を契機に従来の組織はその存在意義を失い、個人生活がクローズアップされる。若者が目指すのは富で…

メタバースとは何か

近づきつつあるメタバースの世界。GAFAMが主導するであろう技術論は最小限にとどめ、その社会的な影響に論点をあてる。問題となるのはリアルとの融合。SNSですでに傾向が見られるように、心地よい世界に浸る人々が出てくる。繰り返されるのはフィルターバブ…

中国が世界を牛耳る100の分野

2050年にはアメリカを抜き世界の最強国になる中国の分析。その強みを政治経済から学術、文化まで100に絞り、その対応策を提示する。人口と豊富な資源を原動力にスピード感を持った集中投資で他を寄せ付けない。日本は感情的な嫌悪感を払拭し、地政学…

リモート経済の衝撃

コロナ下で一気に進んだリモートワーク。沈静化後も元には戻らず、ニューノーマルとして社会雄価値観の変化をもたらすと予想する。働き方改革のみならず、地方への分散、海外との分業も考えられる。医療、教育とは相性がいいはずであるが、日本は法規制の壁…

未来は予測するものではなく創造するものである

SF作家とコンサルの2足の草鞋をはく著者によるSFプロトタイピングの解説書。最近はやりで企業による導入事例も多い。強調されるのは延長線上の未来ではなく、妄想による想像で未来を創造すること。過去のSFアニメが現実となりつつある。最終章に実例で作品…

ユダヤ人大富豪に学ぶお金持ちの習慣

著者はユダヤ人と結婚、2児を設けるがその後離婚。翻訳業のかたわら不動産投資で財をなす。目立つのはアグレッシブな姿勢と上昇志向。夢を文字にし現実化する。ところどころにユダヤの格言が引用されるが、見方によっては世界共通。人生観の個人差の方が大…

最後通牒ゲームの謎

行動経済学と進化心理学から人間の本性にせまる。最後通牒ゲームで実証されるのは、人間は経済的に合理的ではないということ。周囲の目や評価を気にして、いい人であろうとする。これは社会で生きていかねばならない人間が進化の過程で得て来た適応による最…

2030半導体の地政学

今や戦略物資となり、保護主義の起爆剤となった半導体にまつわる最新情報をまとめる。TSMCの誘致合戦が代表的だが、米中欧の思惑と戦略に左右される。業界筋の動向はほぼ周知の通りだが、知らぬ裏話もあり興味深い。立ち遅れた日本は新規技術に活路を見出す…

ファーストコールカンパニー宣言

経営コンサルの指南書。目指す所はタイトル同時、最初に選ばれる会社。高シェアとブランド戦略が重要。特にアフターケア、テクニカルサービスに注力すべき。フィードバックの源泉でもある。自社の方向性は確認できた。成功事例を対談の形で11示しているが…

インパクト投資入門

欧米で先行するインパクト投資。社会問題の解決を目的とする企業に投資する。その一方で利益はしっかりと確保する。対象は農業、環境、ヘルスケア、教育と幅広い。特に発展途上国を助けるものが目立つ。ESG投資よりはより目的領域を明確化している。目的達成…

DXの思考法

DXについてその本質を解説する。表面上のデジタル化ではなく、社会を変革する大きな流れととらえるべき。繰り返されるキーワードはレイヤーと抽象化。食に例えた比喩も適切で理解が深まる。特に経営層を意識して書かれており、真剣に受け止めたい。著者は経…

EV

自動車業界の近未来小説。主人公は経産省の若手官僚。中国の不穏な動きがきっかけ。時期を早めてEVに全面移行することで、日本のハイブリッド車を潰し、世界の経済制覇を狙う。テスラの中国進出をギリギリのタイミングで阻止。日本の部品業界に新たな光明と…

血族の王

松下幸之助の生涯を描く。幼少期から晩年まで、良く知られた成功へのエピソードだけでなく、人間的な葛藤や弱さにも迫る。特に晩年は経営への執着と一族への継承にこだわり晩節を汚した感もある。三洋の井植一族との決別、世田谷夫人の問題なの裏の事情にも…

イヤならやめろ

堀場製作所の創業者にしてレジェンドの著者が社員を鼓舞する。社内誌への投稿をまとめた1冊。繰り返されるのは時間の大切さ。コスト削減に直結するだけでなく、個人の働き方改革にも寄与する。執筆は95年とだいぶ前だがまったく古さを感じない。社内向け…

ビジネスの未来

近未来を予想する。長期的に見れば世界経済は成長期を終え、高原状態に移行しつつある。これからは限界曲線の外側にある社会問題の解決に取り組まねばならない。人々の意識改革が必要。単純な働き方の改革ではなく、人生の目的まで踏み込んだもので、少し宗…