ふくしま原発作業員日誌

原発事故から10年。現場で戦った作業員たちの記録。報道管制が厳しい中、丹念な取材で人間関係を構築。それぞれの思いと現場の理不尽さを描く。彼らを支えるのは郷土愛と使命感。厳しい労働環境と被爆の恐怖の中での奮闘には頭が下がる。もちろん危険手当を含む金銭目当ての部分は否定できない。一定の被爆量に達すると退所を余儀なくされる。使い捨ての人海戦術の部分も。政府の対面と大企業の論理による無理な工程で事故も多発する。廃炉作業は遅々として進んでいないのが現状。おそらく世代を超えての仕事となる。重いテーマの力作である。読破には力が要ったが真実の姿にせまるルポ。敬意を表したい。