中国減速の深層

元日銀マンで中国専門家の著者が、巨大経済の行方を予測する。人口動態と先進国の罠から成長の減速は避けられないが、政府が目標とする2035年GDP2倍の達成は微妙なところ。デジタル化、カーボンニュートラル、不動産、金融にもリスクはあるが、中国政府は良く先例を学び賢明にコントロールするだろうと楽観的。最大のリスクは米中のデカップリング。アメリカは自らの不利益を甘んじて受け、ライバルの成長を止めようとするはずで、この場合日本経済にも大きなダメージを与える。難しいところだ。硬派な内容だが読みごたえはあった。総じて中国に好意的なのはキャリアのなせるところか。