2021-01-15 大仏師運慶 書評 学術 美術 歴史 運慶の美術史的価値を再評価する一冊。鎌倉時代の仏像は工房の作品であり、一般のイメージと異なり、プロデユーサーとしてとらえる。朝廷と幕府の二十構造の中で、両方から受注を受け、慶派を率い発展させたところも高評価。美術としては現代西洋美術の価値観とマッチしており、過大評価ではないかとする。写実については定義から紐解く。入門書だが文献調査から入るしっかりした人文科学の手法。半分ぐらいが新しい視点。運慶と作品を知らない人には厳しい内容。 大仏師運慶 工房と発願主そして「写実」とは (講談社選書メチエ) 作者:塩澤 寛樹 発売日: 2020/09/11 メディア: 単行本