敗軍の名将

太平洋戦争。戦後生まれの著者が悲惨な戦場から4人の名将の戦いぶりを描いたノンフィクション。インパール作戦の佐藤、宮崎、沖縄戦の八原参謀、海軍芙蓉航空隊の美濃部。理不尽な大本営や上層部の命令に反してでも、合理的な自らの理想を貫く。ただその正義は軍組織内部にとどまり、民間までは考慮に入っていないのは、時代背景が大きいか。現代であれば早めの降伏が必要な状況。注目するのはインパールの現地取材。現在でも到達に苦労する地域。多くの戦史の中でも初めてのような気はする。全体の時代背景の説明は良く知られた常識の範囲をでない。