オリオン座の人々

京都の名画座が閉じられる。館主夫妻と近所のオリオン座を縁に夫婦となった幼なじみのカップルの情愛を描く。昭和30年代を舞台に叙情的な作品に仕上がっている。主演の宮沢りえは病的に細いがやはり美しく可憐な未亡人を見事に演じる。キャスティングの勝利。老いた彼女を演じるのは中原ひとみ。極めて自然な感じ。全編を通じて「すんまへん」と「おおきに」の京都弁が優しく響きあう。こうして夫婦で歳をとれるといいね。