映画

鞍馬天狗のおじさんは

戦前の大スター嵐寛寿郎の想い出語りを、ルポライター竹中氏がまとめた大作。時代劇、チャンバラ映画の全盛期。興業的には成功であるが、芸術的には一段低く見られ評価されてこなかった。各スターが独自のプロダクションを設立するも、映画業界の資本の論理…

オードリーヘップバーンの言葉

伝説の女優の発言を抽出し、彼女の人生を追う。1929年生まれ、ナチスの時代を生き抜き、バレリーナを目指すが、身長が高すぎて断念。本人はやせぎすの体形にコンプレックスを持っていたようだ。ローマの休日で銀幕デビュー。その後の活躍は知られている…

読書の絵日記

著者がSNSに投稿した絵日記。本の装丁をスケッチし、その内容を1頁にまとめる。選書は直感で行うということであるが、海外の文芸作品と絵本、童話がめにつく。著者の本業からして当然か。興味深い内容の作品も紹介されており、こちらも読みたいが手が回らな…

すずめの戸締り

自らの最新映画の原作。ヒロインが出会った美少年は「閉じ師」。現世と常世の間をつなぐ扉を閉め、禍を防ぐ役目。外れた要石の化身である猫を追って日本各地を旅する。後半は自ら要石となった彼を蘇らせるため、自らの過去と向き合う。ベースにあるのは著者…

日本アニメ史

戦前から現代まで、アニメ史を俯瞰する。あとがきにあるように監督論、作品論である。全体を11章に分割。キーとなるのは鉄腕アトムでありジブリ、エヴァ、そして新海作品。納得できる評価。全体として子供向けから、大人向けへのシフト。そして世界展開。…

いつの空にも橋が出ていた

プロ野球横浜のファンが織りなす4篇の物語。本当の主人公はチームそのものかも知れない。実在の選手たちは歴代を網羅。奇跡の優勝と長い低迷。さらに近年の復活。変わらず応援するファンたちにとって人生の一部というよりさらに重い部分を占める。最後のダ…

だから何

最新エッセイ集。本人はコラムニストを自称。映画評論がメインだが、政治から芸能、相撲まで幅広く世相を斬る。立ち位置は極めて常識的だがポーズはシニカル。世代的には少し上だが、ネタは共有できる。文章も巧みで愉しく読めました。サンデー毎日への連載…

新海誠の世界を旅する

著者はアニメ研究家。君の名はで大ヒットした新海監督の来し方を解説。自主制作から始め、今日のメジャーに化けた。丁寧な作画とモノローグによる男女の機微は底通するテーマ。作品ごとに聖地を生むが、濃淡は差がある。初期作品を観てみたい。 新海誠の世界…

のび太の月面探検記

最新映画の原作本。辻村氏が脚本を担当したとのことで手に取った。月を舞台にする少年たちの友情物語。映画を先に観ていたのでストーリーは完全に把握していたので、驚きは少ない。もちろん愉しめるレベルの作品。 小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記…

1秒24コマの美

日本映画界の3人の巨匠、黒澤、小津、溝口を取り上げる美術紀行。作品制作の過程で携わった人々や関連美術も丹念に取り上げる。今と違いCGはなくすべてセットでのホンモノを撮る。裏話が興味部会。3人3様だが、小津や溝口はフィルム写真を見ておらず、…

銀の街から

著者による映画評論。朝日新聞への連載。月一回とのことだはすでに15年で100作以上を紹介。残念ながら私が知っている作品は数作にとどまる。それだけメジャーなものではなく知られていない作品が多い。イタリア映画やインド映画まで幅広い。人間ドラマ…

三谷幸喜創作を語る

全編インタビューで構成。脚本、演劇、映画と絶好調の三谷氏の制作手法や哲学に迫る。基本的には理数系で職人肌。「新撰組」ではタイムフレームを決め、それぞれ個人の動きや感情をプロットして行ったとのこと。近年映画がヒットし絶好調ではあるが、新しい…

おおかみこどもの雨と雪

アニメ映画のための書き下ろし。狼男と恋に落ちた女子大生が、二人の子供を必死に育てる。山村に移り住み周囲の手助けもあって、子供は順調に育つが、やがて人か狼かの決断を下す時が来る。弱虫の弟「雨」が自然に帰る道を選ぶ。ストーリー立ては単純である…

劔岳 点の記

機内鑑賞。陸軍測量部とアルペンクラブの登頂争い。測量部のメンバーと現地案内人たちの交流を描く。全体に淡々と進んだ印象。厳しくも美しい自然は大画面で観たかった。香川照之はここにも登場し名演。和服姿の宮崎あおいは良い。

GOEMON

主人公は石川五右衛門。信長直属の忍びとして育てられ、茶々を守り秀吉に復讐を狙う。盟友である才蔵との対決と協力がストーリーの軸。登場人物の意外な設定と独自の世界観で楽しめるが、CG使いすぎ。誰だ監督は。広末涼子は未だ可愛い。http://wwws.warne…

魚河岸三代目

帰国便も邦画にした。ドタバタ喜劇仕立てだが良くできた作品。荒っぽいが人情あふれる築地の人々にほろりとさせれる。メインもサブの恋愛成就に後半はフォーカス、感情移入させられるのは設計意図通りか。森口瑶子はいい。森下愛子様は久しぶり。 http://www…

私と犬との10の約束

帰国便で。ほぼ原作通りの内容で、犬好きにはたまらない内容。すこし冗長かも知れない。嫁入り前の田中麗奈は美し。

ライラの冒険

欧州行きの機内で。評価はB。大作だけにもちろん楽しめるレベル。結末は中途半端で続編待ち。あっ終わってしまったという感想。ハリポタに次ぐシリーズになるのでしょうか。 あちらの少女は可愛いですね。

ナショナルトレジャー

帰国便で鑑賞。こちらも第2作だそうな。リンカーン暗殺を巡っての疑惑と、先住民の黄金財宝を解き明かす学者一家の明るい活劇アドベンチャー。謎を追ってバッキンガム宮殿、ホワイトハウスと侵入を繰り返す。最後はみんないい人で、夫婦はよりをもどす。ま…

続三丁目の夕日

アメリカ出張の機内で。売れない作家茶川の芥川賞候補作を通じての騒動がメインだが、踊り子(小雪)への恋とそれを支える周囲の人々の暖かさ。筋はわかっているのだが後半はぼろぼろに泣かせてもらった。飲んでいた焼酎のせい。最初のゴジラ出現シーンは予…

パッチギ

映画のノベル化。1968年の京都。朝鮮高校と府立高校の不良グループ同士の抗争の中で、音楽を通して恋をはぐくむ二人。完全にウエストサイドストーリーの焼き直しである。圧倒的な暴力描写の中で、一人の少年の死を通して消しがたい日朝の悲しい過去を、新た…

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

著者はベテランの字幕専門の翻訳家。限られた秒数で観衆に読んでもらうために、台詞を直訳でなく要約する技量が要求される。また登場人物のキャラをきめることも重要。映画を通して最近の日本での教養、文化度の低下を嘆く。全体にコミカルに書かれているが…

私をスキーに連れてって。

帰国便の2作目。ストーリーは単純きわまりないが主演の原田知世はいい。奥手の秘書室OLを演じる。外見はある意味平凡なのだが笑顔がいい。周りの共演者も皆若くバブル期の時代設定と共に笑わせて頂きました。1987年作。ホイチョイプロダクションは今…

オズの魔法使い

伝説の名作だが考えてみたらまともに観たことがなかったので到着前の2作目に選択した。さすがに古い。ある意味安心して観てられるが、ノスタルジーを醸し出す以外は正直退屈。途中で止めようかと思ったが。現代の子供たちにも小馬鹿にされるかも。

オリオン座の人々

京都の名画座が閉じられる。館主夫妻と近所のオリオン座を縁に夫婦となった幼なじみのカップルの情愛を描く。昭和30年代を舞台に叙情的な作品に仕上がっている。主演の宮沢りえは病的に細いがやはり美しく可憐な未亡人を見事に演じる。キャスティングの勝…

バッテリー

長距離フライトの邦画鑑賞が続いている。またしても評判の原作を読む前に映画を観てしまった。シンプルなストーリーだが、野球を愛するすべての人々に暖かい視線を注ぐ。ラスト近くでは結末はわかっていても感動して恥ずかしいほどボロボロになってしまう。…

憑神

ヨーロッパ出張の機内で。最近邦画づいている。本来原作を先に読みたいところだったが、ストーリーとしては予想通り。浅田−降旗のコンビは安心して観ていられる。豪華な配役でコミカルに進む中、幕末の下級御家人である主人公の凛とした生き方が清々しい。貧…

ゴーストライダー

シンガポール行きのNHで拝見。アメリカンコミックをそのまま映画にした非常にわかりやすいストーリー。シンプルに楽しめるのはありがたい。一応キリスト教的な背景設定ははあるようだが無視無視。誰も気にもせんでしょう。特撮は標準レベルだが鑑賞には充分…

Bridge to TERABITHIA

機内鑑賞2本目。アメリカの片田舎で小学生高学年の少年少女が描く空想ファンタジー。導入部がやや冗漫でいらいらする。ヒロインが不慮の死をとげるのは正直予想外であった。親子、兄弟、教師と生徒、友人とヒューマティクに描きいかにもDisney好みのストー…

バブルへGO

アメリカ出張の機内で鑑賞。末期にある日本経済を救うため、バブル崩壊を食い止めるため、1990年へタイムトリップする母娘。ある人に勧められたのだが確かに面白かった。随所に笑わせるが、爆笑ではなくクスリという感じ。想像したドタバタではない。主…