どんがら

トヨタの技術部門を舞台にした企業小説。主人公はスポーツカーの再生に挑むチーフエンジニア(CE)多田氏。新車の構想、設計、生産、販売まですべてに責任を負い、車種の社長と呼ばれる。単独ではかなわず、スバルとさらにBMWとの共同開発。専門用語から異なる異文化との交流は苦労が絶えない。社内的には数多くの反対する役員を説得する政治手腕も求められる。理解のある大物技術トップがいて助けられた部分もある。マイルストーンとして段階があるが、タイトルどんがらは金属製の実車車体。その完成は感動的である。なかなかの秀作。