2030年の世界地図帳

SDGsの解説書。17の課題に対する現状認識と克服への処方箋を示す。国連として数値目標を明確にしたことには高評価。各国の事情に配慮して最大公約数となっていることはある意味仕方がない。アメリカ(情報)と中国(工業)の覇権争いにあってヨーロッパは法と倫理で一段上の階層からのコントロールを目指す。日本はさらにその中間として調整役の機能を期待される。キーワードは醗酵。技術と文化の融合、醸成を目指す。豊富な図表を使い、極めて分かりやすく解説。最終章の抽象論がややはっきりしない。参考となる引用多数。

 

-インドに続くのはアフリカ諸国。ナイジェリアは人口ボーナスに期待。

-中国は社会主義共産主義の二層構造により、欧米より資本主義を徹底可能。

-2100年ころには人口は横ばいに。エネルギーと食料問題が解決できれば、サステナビリティの問題はクリアされる。

-成熟社会で子供を持つことはもはや投資より消費。

-OECDの大学進学率は62%。日本は51%。欧州が高い。

-ギグエコノミーは誰でも簡単にできる保障のないフリーランス。低所得から抜け出せない。

-日本のODAは返却を義務化することで、責任感を持って開発を促す。戦後復興の経験から。

-経済は所有から共有へさらに共感へ。特に若い世代。