上野駅公園口

上野公園に住むホームレスが主人公。加賀からの移住組の子孫で、福島県相馬では極貧。長年出稼ぎで家計を支えるが、息子と奥さんを先に無くす。残された家族のために老境になり家出を敢行。上野で厳しい余生を暮らす。対比として示されるのが皇室の幸せな姿。行啓幸がある時は、山狩りが行われ、ホームレスは一時退去させられる。これが著者を突き動かしたか。全体に救いのないストーリー。現代日本社会の暗部を明らかにする問題作。

 

 

JR上野駅公園口 (河出文庫)

JR上野駅公園口 (河出文庫)