副題はキャッチアップからフロントランナーへ。現在日本が直面している環境、資源。食料、教育等の問題を解決することが、真の先進国としての責務であり地球の未来を救うことなると熱く説く。作者は東大総長。化学工学の専攻で図表を多用したシステマチックな説明は非常に説得力がある。2050年ビジョンとしてエネルギー効率を3倍に、自然エネルギーの利用を2倍にと具体的な目標を提言する。これは一見すると夢物語のようだが充分に工学的な裏付けがある。キーはハイブリッド車とヒートポンプによる冷暖房。
- 作者: 小宮山宏
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 単行本
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- 太陽エネルギーの総量は、世界のエネルギー消費量の1万倍である。太陽電池関連の技術開発と普及のためのコスト低減が急務。
- 中国、インドは2030年前後に先進国入りする。「後進国は貧困の悪循環から抜け出し、ひとたび離陸すると、その国が後進的であればあるほど、その後の発展スピードは速い。=キャッチアップ仮説。
- 現代では「出羽の守」は通用しない。「海外では......」
- 地球の応答速度が遅いかも知れない。CO2濃度が安定しても、深海での海水温度は上昇を続け、1000年程度海面上昇が続く可能性がある。