葉桜の日

  1. 葉桜の日
  2. 果実の舟を川に流して

の2作。横浜、川崎のどちらかと言えば場末を舞台にし、そこに生きる若者を主人公とする。恋愛モノではなく、周囲の濃い登場人物との交叉の中で自分の生き様を考える姿を描く。背景には在日韓国人ベトナム戦争を重い題材を配する。流麗な文体と活き活きした会話でスピード感のある作風。明確な結末は述べず後は読者に考えさせる。山田太一の解説で作者が二十歳そこそこで書き上げた作品と知り驚く。

葉桜の日 (新潮文庫)

葉桜の日 (新潮文庫)