実在の松山東高を舞台に、女子ボート部を復活させた主人公達の青春群像を描く部活モノ。女子高生を取り巻く進路や恋愛の悩みと、ボート競技の持つ修練と協調の重要さを見事に織り交ぜて行く。「坊ちゃん文学賞」を受賞したのもうなずける。ストレートな文体を「作文のよう」と作者は後書きで謙遜するが、主題にマッチしているように思う。旧制中学の伝統を引き継ぐ東高は自分の母校に雰囲気が通じる。日曜日の昼間に一気に読破。秀作。
- 作者: 敷村良子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (30件) を見る