私は堺屋さんの主要著書はほぼ網羅しているつもりなので、本書に述べられた論点はすでに何度か目にしている既知感があるのは仕方がない。「歴史から見る目」で「知価社会」の到来を予言する。すでに我々は大きな変化の渦中にあり、産業革命をそれとは知らずに経験しているの人々と同じ立場にあるする。日本の失われた10年は、あまりに素晴らしい成功体験が災いして、規格化大量生産を是とする最適工業社会からの脱却が遅れたためとする。打開策にはやや具体性を欠ける嫌いは否めないが、小さな政府で自由市場を形成すべきと論じる。最後に人口減少を肯定的にとらえているのが印象的。
- 作者: 堺屋太一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2002/10
- メディア: 新書
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