震災の被災地の現状を伝えるノンフィクション。作者の分身であり実際のフリーライター名である「田村章」が登校拒否の中学生を連れて被災地を訪ねる。絶望の中で希望を見出す明るい材料が中心になるが、暗い現実にも目をそむけない。「被災」とは過去の出来事でなく現在の苦しみを語る言葉であり、現地ではその状態は今も続いている。おそらく日本のこれからを考えた場合、若い世代にバトンを渡し、未来への希望をつなぐことが必要。同時代の物書きとしての使命感から上梓された一冊。当事者意識が必要。読み応え十分。
- 歩けない時は休んでもいいが、ケツを割らず両足で踏ん張り続けること。やがて歩き出せる時が来る。
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 単行本
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