太平洋の巨鷲山本五十六

山本五十六提督の再評価。真珠湾の戦果と自らの戦死により偶像神格化され、未だに評価が定まらない。本書では多数の文献からその人間性はあえて無視し、用兵思想に焦点をあてて評価を試みる。基本的には好意的で特にその統率力、戦略性は傑出していたとする。惜しむらくは越後人の無口。自らの意図を組織に浸透させることができなかった。既知の事実が過半だが、不戦を願いながら、トップとして僅かな勝利の可能性にかけざるを得なかった運命を想う。