臨床の砦

舞台は長野地方都市の中規模病院。コロナの発熱外来として機能。2021年1月の奮闘を描く。時期的には第3波だが事実上の医療崩壊に近い。クラスターや院内感染と次々起こる事態に対処するのは、医療従事者の使命感と矜持。「正解ではないが最善を選ぶ」は心に響く言葉。経済を優先しどこか他人事の社会との温度差も指摘。フィクションだが実態は近いものがあるのだろう。著者ならではの力作。