経済成長という病

評論集。長い前書きで書いているように、現在の経済危機を、政治や金融のせいにせず、時代を構成する一員として内部から見極めようとするスタンス。これには好感。経済成長を追い求める体制はすでに終焉を迎えており、人口減少、環境問題、富の偏在を考えるとこれからは、縮小均衡を良しとする大人の未来図を描く必要がある。老いもゼロ成長もは退行ではではなく経験していない未来であるとの結論。これは共感できる。中盤は雑誌類への寄稿集なので、全体のまとまりに欠けるのが難。秋葉原の殺傷事件をエポックメーキングとしてとらえているのが印象的。

  • 現在経済政策に対するは経済成長復活を目標にしている。
  • 「金で金がかえるはずがない」これに反したのがマネーゲーム
  • 日本の老舗旅館のホスピタリィティーは金で買えないものの一例
  • 東京オリンピック以前の日本は「清く貧しい」が明るい社会であった。

経済成長という病 (講談社現代新書)

経済成長という病 (講談社現代新書)