福沢諭吉が生きていたら

閉塞した現代の日本社会を諭吉ならどう見るかをテーマに17人の論客が論じる。その範囲は政治家から芸術家まで幅広い。当然ながら執筆者により立場、論調は異なる。諭吉の先進的な提言が、明治維新後の近代日本を導いたことは認めながらも、その理想からはほど遠い社会になっているとする論調が目立つ。共通するのは教育改革の必要性。「独立自尊」丸暗記でなく判断力のある個人からなる社会が望まれる。慶応はエスタブりシュサイドであり、やや右よりのノブレスオブリージュ的な視点を感じる。教科書でしか読んだことのない諭吉の著書だが、変革の時代にはふさわしいのかも知れない、

「  」は諭吉のことば

  • 独立自尊」「一身独立」国家が経済的にも精神的にも独立自発的な社会となること。ベースは個人の自立
  • 「まず獣身を成して後に人心を養う。」=健全な肉体の必要性
  • 「感溺」=ひとつのことに心が奪われて、正しい判断ができないこと。
  • 「熱して狂することなかれ」
  • 必ず社会は変化する。安息角を超えると砂山は崩れる。
  • 現代のマスコミは読者や視聴者に耳障りなことは言わない。迎合が過ぎる


スマイルズ「自助論」(竹内均訳)

福澤諭吉が生きていたら

福澤諭吉が生きていたら