英語と日本軍

旧軍における英語教育のシステムとその歴史的意義を考える一冊。戦前の英語教育は一部エリートに限定されており、情報収集や占領地の治世で問題が生じた。陸軍は幼年学校からドイツ留学組が中枢を占めており、親独派が国を誤った格好。海軍はリベラルで終戦まで英語教育を完遂したが効果は限定的。語学は教育だけでなく外交や通商で国の未来を決定する。戦後は逆に英語に偏重しているのではないかと警鐘を鳴らす。著者は英語教育学の大家。史料と調査で全体像を明らかにしていく学術的な一冊。

英語と日本軍 知られざる外国語教育史 (NHKブックス)

英語と日本軍 知られざる外国語教育史 (NHKブックス)