旧軍における英語教育のシステムとその歴史的意義を考える一冊。戦前の英語教育は一部エリートに限定されており、情報収集や占領地の治世で問題が生じた。陸軍は幼年学校からドイツ留学組が中枢を占めており、親独派が国を誤った格好。海軍はリベラルで終戦まで英語教育を完遂したが効果は限定的。語学は教育だけでなく外交や通商で国の未来を決定する。戦後は逆に英語に偏重しているのではないかと警鐘を鳴らす。著者は英語教育学の大家。史料と調査で全体像を明らかにしていく学術的な一冊。
- 作者: 江利川春雄
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/03/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る