風の中のマリア

物語の舞台はスズメバチの世界。戦士として狩りと闘いに明け暮れる一匹の働き蜂の一生を通して非常な世界が描かれる。巣のすべての構成員は1匹の女王蜂から生まれる。女王蜂自身も厳しい闘いの中で選抜されてきた。ひたすら卵を産み続け働き手となる娘たちを育てる。冬を迎える前に新たな女王候補とオスを誕生させる。種の保存のためによく設計された自然のメカニズムである。擬人化して書かれているが本人たちは矛盾を感じることもないのだろう。