女性誌での連載エッセイのようだがそうとは思えない硬派な内容。現代日本の右肩下がりの経済。そこから産まれる経済格差の問題が繰り返し解説される。あるいみ啓蒙本かと思えるような感じもする。経済の下降局面では時間を余らせた人々のためにサブカルチャーが発展する。作家らしく言葉を大事にし「普通の」「頑張れ」は意味を考えると使えないと述懐するあたりは印象的。文庫本で10年前の初版であるがあまりギャップは感じない。それだけ社会が停滞しているということ。柏図書館の寄贈本には注意。
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: 文庫
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