下山の思想

評判の書。明らかな下降局面に入っている日本社会を山頂からの下山に喩える。繰り返して述べられるのは、常に前向きにとらえることが重要で、山を安全に楽しく下りきることで新たな展開を産むという考え方。時間スパンでは50年ほどの長丁場。それを支える思想が必要との作者の想いは理解できる。改革者の例として鎌倉新仏教の法然上人がたびたび登場する。朝の新幹線で一気に読破したが、大上段に構えるのではなく軽めのエッセイ集の趣であった。

下山の思想 (幻冬舎新書)

下山の思想 (幻冬舎新書)