GO

在日韓国人の高校生が主人公。自然と身につけた暴力で校内無敵を誇る。同世代の女子高生との恋愛が軸になっているが、織り込まれるのは南北の体制問題、子供の頃からの日本人からの差別、親友の死、そして失恋とテーマはすべて重い。ボクサー上がりの父親の愛情と意外な教養。在日同士の粗暴であるが暖かな友情が周囲をつつむ。作者の主張は国籍や人種はすべて無意味とする。ハッピーエンドはやや意外だったが、良い終わり方かも知れない。直木賞受賞は充分納得できる。堂々のA判定を進呈。

GO (講談社文庫)

GO (講談社文庫)