気鋭の社会学者が世界各地の戦争博物館を訪問。それぞれの主張と効果を評価するルポ。いくらハコモノを作ってもやがて陳腐化し、来訪客を維持するにはイノベーションを繰り返す必要がある。また戦争の様相が急速に変化する中、先の大戦を記録することにどこまで意味があるかも疑問。日本は左右に挟まれ国家としての「大きな記憶」を形成できていない。個人レベルの「小さな記憶」はやがて風化していくであろう。立ち位置はニュートラル。若い世代から見た新たな戦争観は新鮮であった。
- ドイツ 遺跡をそのまま保存。モノをして語らしめる。
- イタリア 地方により見解が異なる。国としての統一感がない。
- 中国 満州国の遺産は受け継ぐ。意外と寛容。大国ぶりを発揮。
- 韓国 大規模な展示。今も戦時下。竹島は別扱い。
- 作者: 古市憲寿
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/23
- メディア: 文庫
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