人類資金

マッカーサーの残したM資金を題材にした超大作。戦後の日本経済の発展に貢献してきたが、行き過ぎた資本主義は格差をはじめとする軋みも社会に産みだしてきた。番人たる笹倉一族からも財団のルールに逆らおうとして不幸な死を遂げた者が複数。後継者たる「M」が人類の未来のための資金に転換させようと画策する。同族の恋人やアジアの最貧国の元王子を巻き込んで資金を盗み出しPDAを国民に配布する。ハードでなく貧しい人々への投資で世界を変えようとする。主人公は中年の詐欺師。シニカルに構えながらも理想に共感し、見事な策略で財団と対決する。全7巻。最終は700頁と半端でない読み応え。著者もはまりすぎ。疲れましたわ。

限定版 人類資金7 (講談社文庫)

限定版 人類資金7 (講談社文庫)