ハードボイルドエッグ

フィリップ・マーローに憧れるしがない探偵が、やとった秘書は齢80歳のやたら元気な老婆。二人の奇妙なコンビがドタバタの中で、動物を巻き込んだ難事件を解決していく。軽快な読み筋のなかに、しっかりドンデン返しとペーソスを盛り込むのは作者の真骨頂。ハードボイルドになりきれない探偵の一人称で語られる。言葉遊びも楽しい。初期の作品の割に完成度は極めて高い。

ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)

ハードボイルド・エッグ (双葉文庫)