始祖鳥記

池田藩岡山城下で自製の大凧で空を飛んだ男がいた。これが飢饉の続く社会不安時の政権批判ととらえられ所払の刑に。一方江戸では独占された塩の専売に挑む行徳の問屋。意気に感じた備前の廻船船頭がこれに協力する。同乗していた主人公は自らの技量一つで未来を切り開いていく海の民の生き方に触発され、再び安定した晩年の生活をすて駿府での飛行に挑む。男の一生は龍神の一夜の眠りに過ぎず、その逆風を間切っていくことが主題。いつもどおり丁寧な著述で重厚な作品となっている。1700

始祖鳥記

始祖鳥記