算法少女

江戸時代に記された同名の古書がモチーフとなっている。少女でありながら父の教えを受けた数学の知識で、当時絶大な力を持った関流の和算に挑む。一揆やお家騒動などストーリー立てのための事件も用意されているが、これは児童文学の域を出ない。円熟しても閉塞感のある江戸文化の中で、自由に学問と子女の教育に打ち込む主人公のさわやかな姿が主題。1973年の作だが絶版になっており、学芸文庫で復活とのこと。当時の挿絵が品良く楽しい。

算法少女 (ちくま学芸文庫)

算法少女 (ちくま学芸文庫)