クライマーズハイ

群馬の地方紙編集局が舞台。過去に部下を死なせたトラウマを持つ一匹狼のデスクが、もらい事故である尾鷹巣山日航機事故の全権デスクに任命される。同じ日に白根山の絶壁に挑もうとしていた同僚が過労がたたり倒れる。世紀の大事故にはやり立つ部下、社内での世代間闘争。社内派閥争いもからむ中で、記事の掲載を巡り、2度若手の期待を裏切ることになり挫折を味わう中間管理職。一刻を争うジャーナリズムの現場をあますところなく描く。その陰で息子との不和を修復しようともがく一人の父親でもある。最後は亡き親友の息子と山が和解に導く。重厚な名作。文庫化を待って一気に読破。今年最初のA評価。

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)