東京物語

80年代。名古屋出身の若者が、上京し30直前の結婚前夜までの青春譜である。東京で浪人、初恋、大学中退、広告代理店につとめバブルのまっただ中の異常な業界も経験する。誰もが通過する一時代であるが、主人公の1959年生まれという設定であり、作者の分身であると同時に私とも世代は同じ。見栄っ張りで自信過剰な生き方にはいらつくが、そこも若さを演出する計算か。全篇をつらぬく音楽や時代背景の小物には共感。

東京物語 (集英社文庫)

東京物語 (集英社文庫)