くちぶえ番長

小学校4年のクラスにやってきた転校生。父の遺言を帽子に刻み、悲しみは口笛に変えて目指すは番長。最初は警戒したクラスもその一本気で弱者を助ける優しい姿勢に惹かれていく。優等生の学級委員である作者の分身は彼女に淡い恋心を抱く。愛犬との死別、再び転校する主人公との別れは分かっていても感動的。「小学4年生」に連載の児童文学だが十分大人の読者にも耐えうる。日頃忘れがちな純粋な気持ちにさせてくれる名作。子供らに読ませたい。

くちぶえ番長 (新潮文庫)

くちぶえ番長 (新潮文庫)