マグダラのマリア

西洋美術史を語る上で欠くことの出来ないモチーフ。娼婦から改悛し聖女に序せられた人生は格好の題材。後半生は洞窟で苦行したとは知らなかった。もともとそのストーリーは後付で男性社会にいいように解釈が加えられた模様。本書の肝はイタリア美術における傑作の数々を紹介する。ルネッサンスからバロックまでエロスと信仰の間で微妙な立ち位置のそれぞれの作品を画像とともに解説。本格的な研究本は日本初とのこと。なかなか楽しめました。いつもながら本文画像はモノクロで不満。

マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)

マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)