ヘンな日本美術史

現役画家が独自の視点で日本絵画史を述する。歴史順の構成になっているが、西洋絵画に出会うまでは透視図法(遠近法)を用いていないことが繰り返し述べられる。画聖として雪舟は別格扱い。中世に流行した画家の異なる洛中洛外図を詳説。近世では応挙と契沖を取り上げる。明治の過渡期の画家として河鍋暁斎月岡芳年、川村清雄と現在では埋もれている3名を紹介。全体にあまり専門的にならず、画像も豊かで読みやすい。なるほどと思わされる内容多し。

  • 日本画には陰影がない。
  • 紙本の絵巻物を引き締めているのは黒
  • 絹本は白の特性を最大限に引き出している。
  • 絵から経済を遠ざけるのは近代の錯覚。その時点で評価されてからこそ作品は残った。
  • 美しい絵を描こうとして瞬間に、その絵の到達点は低くなる。
  • 近代日本画は遠近法を知りながらわざと無視することがある。

ヘンな日本美術史

ヘンな日本美術史