がんばらんと

闘争の書である。前半は病気との闘い、後半は政府官僚との果てしなく苦しい戦い。著者は出生時の投薬で感染し、20過ぎで発症。薬害訴訟の原告となる。匿名を選択する被害者が多い中で、あえて実名を公表したのは、不条理に対し正義を貫こうとする使命感からである。政治家の約束は官僚の反発や政権交代でいとも簡単に反古にされる。結局は世論を巻き込んだ大きな風が吹いた。硬派な内容の中で、若い女性らしいつっこみもあり微笑ましい。好著である。

がんばらんと! 薬害に遭って、見えてきたこと

がんばらんと! 薬害に遭って、見えてきたこと